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レティ XスレYレス目 鈴無解説 / \ __ } ` __ ノ 、 ' \ `ヽ ⌒ _ / \__ \ ` 、 ' ノ⌒ヽ . ヽ {__ -=ニ=-ヘ . l! ー=ニ ̄- / \、 ` ー . { / , ' /' ⌒ ー‐z__ . l! / _ -='" / , /.. / ,/ ̄`ヽ _ . \. / , ´ / _, ィ /_...,彡' /___ // l! . / //// / / . { / ヽ\ノ / l! ー ヽ {/ /´ / ! (ノ... j/_彡_≪、 \,!. / }!`ー . /{ | ハ 厂 ̄/´ ⌒斥;;\ |/、 l!ハ `ヾ . . . 、\__ } 从 `└'`ヾ\_l \ | Ⅵ! } ` ー―_ァ ー/ { .  ̄ ̄ | ! | Ⅵ . ) < \ ___ _/ , . } )ヽ /八 !/\ヾ . { _ ノ ` ー=彡' , } ー _,.. - 'ノ ヽ ! }l }ノ _ ) / / / { ,.. '" -=ニ´/ ) / // / `¨´ / / / `ニ=- 。...〔 . _ -=彡'. // / ヽ´ { / i { ヽ ∧ )´ /´ / 人 、 乂 ! { } / ' ./ / / , ' ノ´ ) } ー'′ , /) r‐=ミ ≫'⌒ヾ , '"´ 、_ '′,人 , ′/´彡' ___ノ´ )/ / / `¨¨ ´ `ヽ ー=ニ '" 厂 У/ ' `ヽ └ 、  ̄ ' _/ } } __r-==| ⌒ 、 {_ -=={く´==={ . . / ======//===={ . ━━━━━────────────────────────────【名前】 レティ・ホワイトロック【職業】 ポケモントレーナー、こおりタイプの四天王固有スキル【雪を降らす女】試合中自分のポケモンが3体になったら発動場を永続であられにする。【冬をつかさどる者】一試合一回 あられが降っているときはつどうほのおタイプの技を無効化する【寒気を操る程度の能力】一試合一回 あられがふっているとき発動2ターンの間あられを止ませる。専用スキル【パーフェクトフリーズ】チルノとの専用スキル 一試合一回こおりタイプの技をほのおタイプにしたとき、こうかはばつぐんになる 解説 11スレ352レス目 鈴無解説 _,.=ア' _, -'/ / / __ , ' /_ _,..-''´ `'''- .,_ ,.' `_ヽ.,r-―-=.,_ ̄`ー- _ , ' ,>''´ ,..' ヽ`ヽ., `ヽ、 / / i' ヽ ヽヽ、 .∧ i! ./ / l i .、ヽ ヽ ヽ、 ヽ, l .,.' / ハ ', ', i、 、ヽヽ ヽ ヽ、 l .ノ ./ / l .ハ、ヽ i .l、 .l 、 ミ=,,,.._ /ィフ ./ ,i ハ ヾi、 .i i l ヽ ト、. ', .l. '、.,__`'' 三二 / (/ / / ァ''i.l―、 ` .i.Nl ̄ヘlヘ‐.l l ヽ ノ ̄ l ,1 l /l ` .ヽlヽ .l i.,.._ヽ ヽ l .l .i ヽ l ハ .i l ,'.,rァtz-=..ヽlヽl ,ィf示了リ l / l ヽ l .l. 〉l .l l..代z 寸 ` 弋z シ ノ∨/ l ヽ、ヽ、 ∨ lヽ.j.l ミ、 ̄ / ノ./ l l ,`iー =' lYl.j i!,、.ヘ、 ′ ,. '´ .ノ ,.' .l .l ,i l '乂i..ノ ヽー≧t、 ` ´___,.イ7./_../ .l ./lノ `Tヘ ヽ_≧.j, =ニ――l/―ァ / // ´ l ヽ .r‐ニ' o1i! l / ,. i! ノ,.,.ノノ-‐= =..、 _>-', ○l i! l ,.>' ,.rー'∧' ヽ、 , -' i´ ∨_ l_i!jー―一ニ.イ ノ二フ ヽ、 / ,r'` ≧.// .__≧ , '/./ _, ヽ--、 ,..' ノ''´二 i' i'三≡''' / // __,ィr‐-、./三三三リ / /.-=ニ-ァ7'´- '. . . / /./ ,ィf下>≧t'三三≧z'' ヘ / /. . ,.'/''´ . .,.r-<l ,' .l /´/;;;/三三i三ニ/ヽ l ヽ ; ' . ,.'.,.' .._ l , i _ノ //;;;;;;;,.≦三三三ニ';;;ヽヽ _ノ ヽ ' . .  ̄¨ . l l / ̄ . . / ',´ ///'三三三三三三ニニ‐.'ー-、_ l . . . . . l l.i . . . . / ,r‐‐==ニニ三三 ≧三/三ヽ;/ ≧三三三三≧z、 ∧ . . . . . l .l ヘ . . . ./ `ー-=====.iッ '三三三l三三i∨;/ /`''ーz三三三i 、 /´ .ゝ、.... . . , 'イ . .`ヽ、 ,.zt≦三>'' ̄l三三ニl;;/./. `''z≦i!シ / .l´三 = .l .l. . . .`ヽ, /三≧tヘヽ;;;;;;;;;;;∨三シノ ノ ` ´ // . l .l . . 、__ _ i,}≧'''´ ヽヽ ;;;; ;ヽニシ'´ /.' . . . __,' l_ニ-― '' 、_ l ヽ`ー '´/──────────────────────────────────名前 レティ・ホワイトロック 出展(東方project レティ・ホワイトロック)解説氷タイプの四天王、少しうっかりやだったりするが、バトルではピシッとしている。チルノと結婚した人、レティチルは正義!l風見幽香とのバトルで劣勢になりながら、のこり1匹のエースでもりかえした。レティを劣勢にした風見幽香の才能を見抜き、ジムリーダーにしたのは彼女である。読子と並んで四天王であり、ともにまな美を秘められた過去へと導いた人でもある。手持ちポケモンチルノデリバードゼルガさんマンムー 戻る
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Eレティ タイプ こおり・いわ 特性 せいぎのみかた 分布 種族値 HP 80 すばやさ 60 こうげき 90 とくこう 90 ぼうぎょ 90 とくぼう 90 進化系統 ちびレティLv22でレティLv38でEレティ(要全国図鑑) レベルアップで覚える技 Lv01 たいあたり Lv06 こなゆき Lv11 あられ Lv17 こごえるかぜ Lv24 いわおとし Lv32 のしかかり Lv42 れいとうパンチ Lv53 ふぶき Lv64 しろいきり Lv70 げんしのちから 覚える技マシン 01 ピヨピヨパンチ 02 ドラゴンクロー 03 みずのはどう 04 めいそう 06 どくどく 07 あられ 08 ビルドアップ 10 チームワーク 12 ちょうはつ 13 れいとうビーム 14 ふぶき 15 はかいこうせん 16 ひかりのかべ 17 まもる 18 あまごい 20 しんぴのまもり 21 やつあたり 23 アイアンテール 26 じしん 27 おんがえし 28 あなをほる 31 かわらわり 32 かげぶんしん 33 リフレクター 37 すなあらし 39 がんせきふうじ 40 つばめがえし 41 いちゃもん 42 からげんき 43 ひみつのちから 44 ねむる 45 れいげき 46 どろぼう 49 よめしゅぎょう 覚える秘伝マシン 01 いあいぎり 03 なみのり 04 かいりき 06 いわくだき 07 たきのぼり 倒すと獲得できる努力値 ぼうぎょ +3 育成例
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「もうじきお別れね…」 「俺、待つよ。 また冬が来て、君が戻ってくれるのを」 「今までも何人かそう言ってくれる人がいたわ。 でも結果はいつも同じ、その人は次の冬までの間に別のいい人を見つけてしまっている。」 「レティ!俺の気持ちがそんなに軽いと…」 「そうじゃない、そうじゃないの。 でもひと冬の間でいっぱいの私と一年の季節全てを生きるあなたとでは流れる時間が違いすぎるの! 私にとってはいつもの一晩と同じにしか感じない時間、 でもあなたにとってそれは私と一緒に過ごした以上の時間よ。 その間、ずっと待っててだなんて私には言えない。 だから…ここでさよならしましょ。」 「…わかった、じゃあ、これでお別れだ」 「……うん…」 「でも、次に出会ったときにまた惚れ直すくらいは許してくれるよな?」 「…うん…あてにはしないけど、ちょっぴり期待してもいいかな」 1スレ目 58 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あなたは、何を望んでいるの?」 今はもう消えかけてしまっている彼女が、そう問いかける。 もう、向こう側が透けて見えるくらいだ。 それは、彼女が存在できる季節――冬が過ぎ去ろうとしている証拠であった。 ある秋の日。 目が覚めるとそこは自分がいた世界とは明らかに異なる世界だった。 幻想郷、と後に知り合った緑髪の妖精は言っていた。 ここは、外界から隔離した世界であり、戻るのは困難であること。 戻る方法は、博霊の巫女に頼むくらいであること。 色々なことをその妖精に教えてもらった。 教えてもらった情報を元に神社を訪ねてみた。 そこの巫女に訳を話すと、色々と都合が悪いため、元の世界に戻れるのは春以降だと言われてしまった。 そんなことから、俺の幻想郷での生活が始まったのだった。 初めのうちは外界との差もあり、やはり一日一日を過ごすのが精一杯であった。 しかし、色々な人たちと触れあい、二月経つ頃には何不自由ない暮らしが出来るようになっていた。 そんな、幻想郷の生活にも慣れてきていた冬のある日、俺は彼女に出会った。 その日、俺はいつものように森で食料を調達して帰る途中であった。 しかし、その日に限って何故か道に迷ってしまった。 「まいったな…こんなことになると思ってなかったから灯りも何も持ってないぞ?」 そして、あても無く彷徨ううちに、俺は山に出てきてしまった。 幸いなことに、少し歩くと手ごろな洞穴が見つかった。 「今日はもう日も暮れるし、ここで一晩明かすか…」 凍えぬように寝支度をし、俺は眠りに就いた。 明くる日。 俺は誰かの気配で目を覚ました。 「あら、生きていたのね」 目を開けると、そこには俺の見知らぬ少女が立っていた。 「ところであなた、良く大丈夫だったわね。このあたりは妖怪が多い地域だというのに」 紫色の髪、青色の服、不思議な形の白い帽子。そしてそれと同じように白い肌。端整な顔立ち。 一瞬、見惚れてしまった。 「あら、私の顔に何かついているかしら?」 そうして首をかしげる少女の姿は、とても愛らしく思えた。 しかし、今はそれより大切なことがある。 「ちょっと、いいかな?」 「何かしら?」 俺はその少女に、道に迷ったこと、どこをどう行けばいいかわからないことなどを簡潔に伝えた。 「…ということなんだけど、道わからないかな?」 聞くと、彼女は指をある方角に向けてこう言った。 「この方角に真っ直ぐ行けば湖畔にぶつかるわ。そこから先は大丈夫でしょう?」 詳しく聞いてみると、ここはあの妖精(と、おバカな氷精)が住む湖から少し奥にある山であるということがわかった。 「ありがとう。それじゃあ、俺はこれで」 「ええ、気をつけて」 そして少し歩いたところで、ふと気づいて振り返った。 「…? どうしたのかしら?」 「そういえば、君の名前を聞いていなかったな。俺は○○。君はなんて言うんだ?」 「私の名前はレティ。レティ・ホワイトロックよ」 「そうか、レティ、本当にありがとう。それじゃ」 そうして俺は無事に湖畔にたどり着いた。 ―――これが、俺と彼女との出会いだった。 それから暫くしたある日。 妖精に聞いてみたところ、レティは冬の妖怪であるとのことだった。 思い起こしてみれば、確かに人間とも妖精とも違う雰囲気があったように思える。 そしてその後、氷精をからかって帰る途中。 湖畔に佇む、見覚えのある後姿が目に入った。 「よう、レティ。先日はどうも助かったよ」 「あら、何時ぞやの人間。…○○だったかしら?」 一応名前も覚えていてくれたようだ。 「覚えていてくれたのか。嬉しいな」 「それはまあ、あんなとこで生きている人間を見るなんてそうそうないからね」 …さり気無く怖いことを言われた気がする。 もしかして、俺は相当危ない橋を渡っていたのだろうか。 「と、ところで、レティはあの時なんであそこにいたんだ?」 俺がそう聞くと、レティは決まってるじゃない、と言う顔をしてこう言った。 「それはもちろん、あそこが私の住処だからよ」 「そ、そーなのかー…」 そこまでは気が回らなかった。 まさかあんな洞穴に住んでいるだなんて。 「それはまた、勝手に使っちゃって悪いことしたなあ」 「いいのよ、別に。大して使ってないし。あの時も気まぐれで戻ってみただけだしね」 その後、俺はレティと他愛も無い話をして別れた。 別れ際に、いつもはどこにいるのかを聞いてみると、 「大体ここにいるわ。若しくは洞穴」 との返答が返ってきた。 それからというもの、俺は毎日のようにレティと話をした。 外界のこと、神社の巫女のこと、魔砲使いのこと、氷精のこと…。 いろいろな話をした。 彼女といると、時の経つのを忘れてしまうほどだった。 あの時はしみじみと見る余裕もあまりなかったが、今こうしてみるとやはり彼女は可愛かった。 いつしか俺は、レティに友達以上の感情を寄せていた。 それからまた暫くしたある日のこと。 冬の終わりを感じさせるような、少し暖かい風を感じながら、俺はいつもの如く湖畔でレティと話していた。 話がみょんなことから春の妖精の話になると、彼女は複雑な表情をした。 「レティ? どうしたんだ、さっきから浮かない顔して」 「いや…ね。春になると、私はまた消えなきゃならないから…」 そうだった。 以前妖精から聞いていた通り、レティは冬の妖怪だ。 それはつまり、春になると存在は出来なくなるというわけで… 「風ももう暖かくなってきているし…もうそろそろリリーが来る頃かしらね」 それはこのひと時が終わりを告げることを意味する。 そして、すっかり忘れかけていたが、春になれば俺は外界に帰らねばならないかもしれない。 …つまりは、レティともう会えなくなる、ということだ。 そのことを自覚した瞬間、俺は心に大きな穴が開く感じがした。 その夜。 俺は悩んでいた。 レティにこの思いを伝えるべきか否か、外界に帰るべきか否か、を。 悩みに悩みぬいた結果、決断は明日レティに会ってからにしようということにした。 その日、レティは湖畔に現れなかった。 次の日も、その次の日も現れなかった。 もう、消えてしまったのではないか、という考えが頭をよぎった。 半ば諦めかけ、家に帰ろうとした時、ふと彼女の言葉を思い出した。 「『若しくは洞穴』…か。行ってみるか!」 急ぎあの洞穴にやってくると、果たして彼女はそこにいた。 「…レティ」 俺が呼びかけると、彼女はこちらを振り返って少し驚いた表情をした。 「○○…どうして?」 「どうして、って言われてもな…気になったから来たんだ」 「…そう」 俺が近づこうとすると、彼女は俺を手で制した。 「あなたは、何を望んでいるの?」 今はもう消えかけてしまっている彼女が、そう問いかける。 「あの時からあなたはいつも私と一緒にいた」 もう、向こう側が透けて見えるくらいだ。 「あなたは、私に何を望んでいるの?」 それは彼女に残された時間が少なくなっていることを意味する。 もう、悩んでいる暇は――ない。 「レティ、一回しか言わないからよく聞いてくれ」 一つ深呼吸をする。 そして、一息に言い切った。 「俺は初めて会ったあの時からレティ、君のことが――好きだ」 レティが息を呑んだのがわかった。 暫くの沈黙の後、レティが口を開いた。 「私は…私は、あなたといると楽しい」 「それは、俺も一緒だ」 「でも…私は冬にしか存在できない、だから…」 「関係ないさ」 レティの言葉を遮るようにして俺は言った。 俯いていたレティが顔を上げる。 「たとえ、レティとは冬の短い間しかいられないとしても…俺はそれでも幸せだ」 「…いいの?」 「ああ」 「他の季節はあなたを悲しませてしまうけれども」 「永遠に冬が来ないわけじゃないんだ、待ち遠しくて悲しむ暇も無いさ」 「私は妖怪、あなたは人間」 「何を今更、種族なんて関係ないだろう?」 「…本当に、いいの?」 「レティじゃないとダメなんだ」 「…嬉しい」 そう言って、レティは俺の胸に飛び込んできた。 初めて抱きしめた彼女は、冷たくて、そして――温かかった。 「今年の冬は、長かったわ…」 俺は何も言わず、レティを強く抱きしめる。 「あの紅白や、白黒、おかしなメイドに初めて会ったときなんかよりもずっと、ずっと…」 彼女のぬくもりを逃がさないよう。 「また、来年会えるわよね?」 「もちろん」 最後に微笑むと、レティは光とともに消えた。 「春ですよーっ!」 窓の外からリリーの春を伝える元気な声が聞こえる。 レティが消えて程なくして、春が訪れた。 俺は巫女のところへ行き、ここに留まることを告げた。 巫女は呆れたような顔をして、 「ま、せいぜい妖怪に喰われないように注意しなさい」 なんてことを言ってきた。 妖怪に喰われる、か…。 そう考えると、俺は既に妖怪に喰われてしまっているのだろう。 レティに、俺の心を。 桜が散り、新緑の若葉が生い茂り、紅葉し、やがて枯れ落ち、冬が来る。 俺が幻想郷に来てから、もう1年以上が経った。 今日のこの寒さならば、きっと雪も降るだろう。 雪が降れば、きっと彼女も帰ってくるだろう。 冷たくて温かい、誰よりも愛しい彼女が。 「ただいま、○○」 自分で自分のをここに並べるのは非常に気が引ける件について。 だれか レティ たのむ 1スレ目 778 ─────────────────────────────────────────────────────────── 寒いと言えば 「また会えたねレティ!今冬も俺と付き合ってくれ!」 と毎年言っては振られてるorz 212 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「そろそろ冬も終わりね」 「……そうだな」 そう俺の横で感慨深く呟くのは、冬の精霊レティ。 幻想郷では数少ない大人の女性の一人である。 四季折々の風物詩の一角。つまり冬しかいない、いれない彼女はもうすぐ消えてしまうわけで…… 「そんな顔しないで? 決して今生の別れ、というわけでもないのだし」 そんなに顔に出ていたのだろうか。まあ他でもない彼女が言うのだからそうなのだろう。 「レティがずっといれるだけの冬があればいいのにな……」 「いつかの時みたいに? ふふっ……私たちの所に巫女が来るわよ?」 「もしくは魔法使いか瀟洒なメイド、か。そりゃ勘弁」 軽く笑いあう。 渡すなら……今か。 「なあレティ」 「なあに?」 「少し早いけど、ホワイトデーのお返しだ」 直接手渡すのも気恥ずかしく、彼女に向かって放り投げる。 俺の投げた小袋は放物線を描き、ぽす、と軽い音を立てて彼女の腕に収まった。 この陽気では当日が来る前に彼女は消えてしまう、と予想した俺は急遽こーりんの店でクッキーを調達してきたのだ。 「……ありがとう、嬉しい」 そう感謝の言葉を紡ぎ、冬の精霊とは思えないような暖かい笑顔を浮かべた。顔が熱くなるのがよく分かる。 この笑顔を再び見るために、一年かけて俺は彼女を待ち続けるのだろう (惚れた弱み、だな) レティが嬉しさのあまり周囲が吹雪かせているのを感じながら、思わず苦笑する。 これが⑨だったりしたら問答無用で叩き落す所だ。出来るかどうかは別として。 そしてその数日後、ホワイトデーを待たずして彼女は消えてしまった。 ……さよならレティ。また、来年。 書いてる時は暖かいのに、いざ投稿する日はクソ寒い罠ww 539 ─────────────────────────────────────────────────────────── 78 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/12/21(水) 13 59 52 [ zas95HEM ] 窓の外は猛吹雪だ。 今日いっぱい降りこめて、今夜にかけてはさらに激しく降るらしい。 昨日の雪下ろしのお陰で外套はびっしょりで、天気が悪いから着替えもまったく乾いていない。 窓の外でレティが笑いながら、おいでおいで愛しい人と手招きしている。 さて、男ならここでながらうべきか死すべきか。 何が春だ。 こちとら冬真っ盛りだ馬鹿者もにょ。 79 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/12/21(水) 15 22 53 [ QO9wgSB6 ] 78 反対にレティを家の中に連れ込む勢いで。 3スレ目 78-79 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「春は涼しく過ごせる所を探す。夏はお前がよく眠れるようにに氷を持ってくる。 秋はお前が来る時の準備を始める。冬はお前と一緒にずっといる。それでいいか?」→レティ 4スレ目 689 ─────────────────────────────────────────────────────────── 最近、めっきり冷え込んできた。 (……そろそろ、かな) ふと思い立ち、軽く厚着して散歩に出る。 肌を刺す、とまではいかないがそれでも十分に寒い。 吐く息は白く、地面には枯葉が積もっている。 ……この分なら、会えるだろうか? 微かな期待を胸にぶらぶらと。どこぞの巫女のように。 そして小一時間後、俺は紅魔館の湖前に辿り着いた。 決して妖精の仕業で迷いこんだではない。 俺は最初から、ここを終着にするつもりだったから。 「……寒」 流石に水場という事もあり、ここは一段と風が冷たい。 普段の俺なら、こんな寒い場所には絶対に近づかないのだが……。 ……お、いたいた。 湖の畔に、俺に背を向けた状態で佇む一人の姿を発見。 半ば確信していたとはいえ、それでも自分の予想通りだと嬉しいものがある。 「……」 ここでほんっとうに唐突に、彼女を驚かせたい衝動に駆られた。 平時は落ち着き払った彼女の驚いた顔は、さぞ可愛いことだろう。 が、俺の足音によって、彼女はもう少しという所でこっちを振り向いた。残念。 まあ、こんなもんだよな。 「おいーす。半年ぶり」 半年振りに再会した事など、微塵も感じさせずに軽く手を上げ挨拶。 てっきり、向こうも柔らかく微笑んでくれるものだと思っていたのだが……。 「……遅かったのね」 目の前の女性は、少々お冠だ。 怒った顔も可愛い、とか言ったら更に怒るのは間違いないので言わない。 しかしなんというか、これはつまり、そういう事なのだろう。 「あー、すまん、どれくらい待った?」 「二日と半日。てっきり忘れられたかと思ったわ」 そう言って、冗談っぽく笑う。 半年前、最後に彼女と此処で別れた時と、何一つ変わっていない。 そう直接言ったら 「○○も」 と苦笑混じりに返された。微妙な気分だ。 まあいいか。 「とりあえず、今年もよろしく、レティ」 「ええ、こちらこそ」 ――今年も冬が始まる。 6スレ目 92 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「俺は、暑いより 寒いほうが好き・・・・・・かな」→レティ 6スレ目 276 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おい妖怪、お前がこの豪雪の犯人か?」 「もしそうだとして、人間が何か出来るとでも?」 「少なくともお前を殴るくらいは出来る」 吹雪の雪原で雪女に喧嘩を売るとは、自殺願望でもあるのか 適当にあしらってやろうと思い気温を下げる 「・・・気温を下げるのか、吹雪を強くしたり・・・まるで雪女だな」 「似たようなものよ」 おかしい、既に相当な寒さのはずだ、なぜ凍りつかない? 更に下げる・・・変化なし 「・・・」 何も変わりないように男は向かってきた 「な、なんで!?なんで人間のくせに!?なんで効かないの!??」 「気合だっ!!」 その一言と共に走った衝撃、消え行く意識の中、そんなアホな、なんておもった 「目が覚めたか雪女」 「っ!?」 がばっっと起き上がる どうやら山小屋のようだ 「・・・何のつもり?」 「いや、お前を倒せば吹雪が止むと思っていたんだが・・・弱くはなったが止まんので困っていたのだ」 この男・・・莫迦か? いや、それにしても・・・やっぱり莫迦なのか 「・・・なんで私を倒しにきたのよ」 「あー・・・最初は交渉するつもりだったんだがな」 「交渉?なんの?」 「このちょっと先に小さな集落が在る、今冬は吹雪が止まないせいで色々と困っていてな、それでこの吹雪の中まともに動ける俺が交渉役に選ばれたわけだ」 「・・・吹雪を止めて欲しかったのね」 「うむ、しかし・・・此方の勘違いであった、手荒な真似をしてすまない」 深々と頭を下げる男、莫迦だが悪い奴ではなさそうな・・・気がする 「・・・ま、別にいいけど・・・吹雪さえ止めば何とかなるの?」 「ああ、せめて食料を里から買ってこれれば何とかなるらしい」 「ふーん・・・仕方ないわね、力を貸してあげるわ」 「本当か!?ありがとう!」 強める事はあっても弱めることはないからなぁ・・・ちゃんとできるかしら? 「俺は○○、お前の名前は?」 「へ?れ、レティよ、レティ・ホワイトロック」 「そうか、レティか・・・宜しくレティ!」 こうして食糧不足の集落を救う人間と妖怪の作戦が始まったのだ ~プロ○ェクトⅩ~ かぜのなかのすーばるー 「一つの集落を食糧不足が襲った、外は猛吹雪、里にいけるような状況では無い」 「皆は、絶望した・・・しかし其処に一人の男が立ち上がる」 すなのなかのぎーんがー 「その男は冬の妖怪と協力し、見事一つの集落を救うことに成功した」 みんなどこへいっーたー 「恋に落ちる二人・・・しかし二人を待っていたのは、種族の違いという大きな壁であった」 みおくーらーれることもーなくー つーばーめよー(ry ~プロジェ○トⅩ~真冬への挑戦者達 今冬下旬公開予定!! 「ふーん・・・久しぶりに映画でも見に行くか」 ~完!~ うpろだ338 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あれからやっと一年か・・・・。」 俺はひっそりとそうつぶやいた。 晩秋、いや定義上今は初冬。俺は博麗神社にやって来た。夜が明けてまだ早く、息が少し白くなる。だが、神社の周りの木々は所々まだ黄色や紅に色づいていた。 一年間待った。いや一年間の猶予とも言うだろうか?俺が思いを伝える為に並べる御託を考える猶予。 俺は去年の二月、彼女と別れた。別れ際、彼女に思いを告げた。だが、その声が届く前に彼女は消えていた。彼女の答えを聞く事はなかった。 正直ばかばかしいとも思う。彼女は妖怪で俺は人間。共に生きる事など出来ないのだ。だが、この思いを伝えて、相手の答えを聞いて、無惨に砕け散るまで、俺は諦める事は出来ない。人間は、自分の欲求を満たそうとするから。 ばさっと布団がめくれ上がる音がする。巫女が起きたのだろう。それから五分後、彼女は外の様子を見に来る。そして、肩をすくめた。 「本当、懲りないわねぇ。今日来るかどうかだって、分からないのよ?」 「いつ来たって構わないようにしてるだけさ。誰も今日くるとは思ってない。それに、これを日課にすると体が鍛えられるんだ。」 「そもそも、妖怪と人間は、共に生きる事なんて出来ないのよ。」 「俺は別に共に生きようなんて事は考えてない。駄目でもともとさ。ただ、この思いを伝えないと、諦めがつかないんだよ。」 巫女は大きくため息をついた。そして、神社の中に戻ろうとする。 「ま、好きにしなさいな。私は何も止めないわよ。」 戻り際、彼女は呆れた声でそういった。 俺はそんな彼女の事など気にせずに空を見上げる。そのときだった。 「あらあら、空に何かあるのかしら?」 それは、一年前、厳密には九ヶ月前に聞いた声。俺は振り返った。俺の後ろに、彼女はいた。 「久しぶりだな。」 「ええ、別れ際、貴方が何か言うのが気になったから。戻って来ちゃった。」 「覚えていてくれたのか。」 「ええ。覚えていたわよ。○○。」 「覚えていてくれただけでも嬉しいよ。レティ・ホワイトロック。」 「で、あのとき、貴方は私になんと言おうとしてたのかしら?」 彼女は微笑みながらそう言った。俺は一瞬息詰まる。だが、俺は、彼女にそれを話すことにした。わしわし。と頭の後ろを掻きながら。 「レティ。あのさ・・・・」 九ヶ月かけて考えた「御託」を並べて。 俺たちの「冬」は、この時から始まった。 うpろだ536 ─────────────────────────────────────────────────────────── 出会いはいつも、唐突で 別れもまた、唐突で 「……寒ぃ」 ついぞ数日前までは秋と呼べていた気候も、いつのまにか真冬のソレへと変貌を遂げている。 まだ年が変わるには余裕が有り過ぎるというのに。 今頃里では急な変化に慌ててるだろう。雪吊りとか。 手伝うはずのところを抜け出して、こんな森へ来ているのも訳がある。 白い息を吐きながらふと思う。 「1年……か」 厳密には1年ではなく、もう少し短いのだが それでも俺にはとても長く感じられる。 漠然と過ごす時間と、待ち焦がれる時間では、天と地程も違うのだ。 森へは毎日のように来てはいたが、こうして待つために来るのは久しぶりだ。 「おーい、いるんだろ?」 アイツが来ていなければここまで冷え込んだりはしないから。 いないならいないで、別にいい。 また明日来て呼びかけるだけだ。 「だんまりを決め込むか……」 その場にごろりと寝そべる。 急いで走ってここまで来たせいか少々疲れていた。 (また明日……かな。嗚呼、帰って晩飯の支度もしないと……) ゆさゆさと、体を揺さぶられる。 「――きな い」 「……」 「――おきてってば」 「……んー……あと5分ー……」 「あと5分すら惜しいと言っていたのは1年前のあなたじゃなかったかしら、○○?」 寝ぼけた頭がようやく声の主が誰かを認識する。 眠気なぞ一瞬で吹き飛ばした。 飛び起きようとして ごいんっ 「「っ痛ー……」」 頭をぶつけた。 肉体労働で慣れているせいもあってか、すぐに立ち直る。 若干涙の滲む目を開けた先には、額を抑えてうずくまる待ち人の姿があった。 かけたい言葉が山ほどあったはずなのに、月並みな事しか口から出てくれなかった。 「よう、久し振り。遅かったな」 すぐに立ち直った俺とは違い、さすがに妖怪といえど女性。 ……ついでに結構な勢いでぶつかったせいか。 レティは涙目で俺を睨んでいた。 「優しく起こしてあげようと人が親切心を出してみれば……」 「あー……その、なんだ。……すまん」 両手を合わせて平謝り。機嫌をとること約5分。 ようやく普段の彼女に戻ってくれた。 「久しぶりね」 「ああ」 淡々と会話を始める。顔は合わせない。 背中合わせでだらだらするのが、俺達のスタイル。 「待たせちゃってる間は退屈じゃなかったかしら」 「焦がれすぎて死ぬかと思ったぜ」 死ぬかも、はさすがに誇張だけど苦痛に感じる程になってしまったのは事実。 「やめてよ、冗談に聞こえないから」 「冗談だ。ホントは酒屋の娘と……って嘘ですごめんなさいその右手に収束させてる冷気を早く散らして死んじゃう、死んじゃうから!」 うわあ、意外に嫉妬深いぞ……心にしっかりと刻んでおかねば。 「冗談でも……次にそんなこと言ったら許さないからね?」 「……イエス、マイフェアレディ」 「何?それ」 「"分かりました、我が愛しの人よ"という異国の言葉」 「…ばっかみたい」 口調とは裏腹に、後ろからは嬉しそうな気配が伝わってくる。 よくやった、俺。 「だけど、どうして今日だって分かったのかしら?」 「寒いじゃん、今日」 「それだけ?」 「あ、あとはそろそろレティが待ちきれなくなるかなって」 待ちきれなかったのは俺だけどな。 「そうね。確かに、待ちきれなかったわ」 「まだ年が明けるまで一月半もあるぜ?」 「それだけ貴方に会いたかったのよ」 背中の温もりが一瞬離れた後、包み込むようなモノに変わる。 どうやら背中同士から抱きつかれる形に変わったようだ。 「ま、そういうわけで」 「?」 「これからまた春までの間、よろしくな、レティ」 「こちらこそ。よろしくね、○○」 目の前に回されていた手を優しく握る。 冬の精といわれる彼女だが、その手はとても暖かかった。 「なぁ、ところで」 「何?」 「お前、少し太ったか?」 「……氷像にされたい?」 「嗚呼、それもいいな」 「馬鹿」 まだ11月半ば。 春が訪れるとされるまで、三月半。 今年は彼女と何をして過ごそうか……。 うpろだ542 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ああ、やっとこの季節が来たんだな」 つい先月まで暑さが続いていたというのに すでに吐く息は白く、窓から外を見れば霜が降りているのを確認できる 「・・・雪が降るのはまだかな、でも案外・・・」 この青年、冬を、この寒い季節を待ちわびていた それには一つの、想い 「さて、探しにいくか・・・」 厚手のコートを羽織り、雪が入らぬようにしっかりとブーツを編んだ そして彼は適当、もとい直感でふらつくのだった 「やっと・・・私の季節が来たわね、うふふふ」 野原に生えた高い杉のような木、他の草類はほとんど枯れている その杉の木の上で、両手を組んで偉そうにふんぞり返っている雪女 「ああ・・・此処に居たのか」 そこは今年の冬の終わり、彼女と別れた所 「えっ・・・○○・・・・・・○○っ!」 木から飛び降り一目散に俺のところへ ああ、せっかくのパンチラが 「○○っ」 そのまま俺の懐にダイブするレティ、俺はしっかりとそれを受け止めた 「あれ・・・しっかりと受け止めたね」 「そりゃあ・・・冬までにはもうちっといい男になってるって約束したからなぁ」 目標はレティをお姫様抱っこ!だったんだが・・・いや、昨年度までは貧弱だったんで、いやいや まぁ見栄を張るために鍛えたんだが・・・順調にマッチョになりつつある 「・・・お前は相変わらずぷにぷにしてるな」 「んっ、ば、ばかそんなと、こ」 むにむにと一年近くぶりにレティを確認した 「・・・レティ」 遊んでいた手を彼女の肩において、引き寄せる 人肌の恋しい季節、俺は彼女の唇の感触に、寒さを忘れて 「ぷぁっ・・・そんなところは相変わらずなのね」 「レティ・・・会いたかった」 強く抱きしめる、それだけで安心した 久しぶりに彼女にあって、抱きしめて、キスをして、それだけで別れが怖くなった だから忘れる為に、彼女を抱きしめた 「・・・暖かいのね・・・とけちゃいそう」 「あー・・・」 「ど、どうしたの!?」 「いや・・・幸せすぎるなぁ、と思ってな」 幸せだ、何を恐れる事があろう 年に半年足らずしか会えなくとも十分、一年分の幸せをその間に謳歌すればよし 「さぁレティ!遊びにいくぞっ!」 「ええっ!?何処に!?」 「とりあえずチルノのとこだー!」 俺は彼女の手を引いて走る、今年の冬も、疲れるまで遊ぼう、あの馬鹿なちびっ子も一緒に そんな冬がずっとずっと続いていく事を願いながら ~終~ 10スレ目 228 ─────────────────────────────────────────────────────────── 辺り一面の雪化粧。肌に感じる白銀の風。 そんな冬景色の中、一本の木の根元に俺と彼女は立っていた。 「雪は良いわね。これがあるからこそ、私の時間な気がするわ」 粉雪舞い散る空を見上げながら、彼女は何の気無しに呟いた。 「お前が頑張れば雪ぐらい降るだろ」 「自然に降るのが良いのよ」 そうかい、と適当に返して辺りの雪に目を落とす。 彼女の方も気分を害した様子も無く、そのまま空を眺め続けていた。 暫くの沈黙の後、冬服とは思えない軽い服を纏った彼女――レティに訊ねてみる。 「今日はクリスマスらしいな」 「そうみたいね」 「お前は何処かに出掛けないのか? 紅魔館辺りがパーティーでもやってるだろうに」 騒ぐ口実になれば何でもいいというのが幻想郷の常識なので、毎年クリスマスとなれば何かしら催しが行われているものだ。 妖怪が主催するものなど幾らでもあるし、彼女がその内の何処かに誘われていたとしても何の不思議も無いのだが。 それに対してレティは軽く頭を振った。 「私に縁の有る話じゃないし、暖房が効いてる場所は嫌いだから」 「そうか」 短く答えて話を切る。と、珍しくレティの方から話を続けてきた。 「あなたこそ、何処かに誘われてたりしないの?」 「俺は只の人間だぞ。縁が無いという点ではお前以上だ」 「只の人間ねぇ」 何故かレティはクスクスと笑った。何か変なこと言ったか? 「一つ忘れてるわよ」 「何をだ?」 「極度の寒がり」 「ほっとけ」 とりあえず不躾にそう返しておく。 確かに上着を二重三重に着込んでいる姿は、彼女とは対照的に見えるだろう。 だが俺が寒がりという以前に、レティと一緒に居るために必要なことだ。 雪中で動きにくいことこの上ないが。 ……と、いかんいかん。普段から無愛想だと言われる顔を余計に無愛想にしてどうする。 隣に視線を向けると、レティは少し意地悪そうな表情をしていた。 「ねぇ。冬の妖怪である私と、人間であるあなた。 種族の違うあなたが私と一緒に居たがる理由、教えてもらえるかしら」 「……またその質問か。去年も答えた気がするんだがな」 「そんな昔のことは覚えてないわ」 嘘だな。あれはもう一度言わせたい顔だ。 まあ別に今更恥ずかしがることでもないし、期待されたら応えるのが礼儀だ。 「種族の違いなんか知るか。惚れた女と一緒に過ごそうとして何が悪い」 ……わざわざ言わせておきながらレティは笑った。そういえば去年も笑われたっけか。 だけど一頻り笑い終わった彼女は、どこか嬉しそうな表情をしていた。 「ほんと変わり者よ、あなたは」 「褒められるのは照れくさいな」 褒められ慣れてないので素直に嬉しい……のだが、 そこが変わってるのよ、とレティには苦笑された。また変なことを言っただろうか? 先程言ったことを思い返しているうちに、レティは降り積もる雪の中に歩を進めた。 「さて、と……そろそろ時間かしら」 「? 何処にも誘われてないんだろう?」 「パーティーにはね。チルノたちに誘われてるのよ。 今日の夕刻、ミスティアの所で皆で騒ごう、だって」 「クリスマスに屋台か……。似つかわしくないね、まったく」 この聖夜に屋台とは場違い……とは言わないが、何処か違和感を感じるのは無理も無いことだろう。 確かにね、とレティは笑って、 「あなたは来ないの?」 「……いいのか? 部外者なんぞ誘って」 「構わないわよ。他の誰かを誘うなって言われたわけでもないし。 まぁチルノが機嫌悪くするだろうから、それは手立てを考えてほしいところだけど」 それなら大丈夫だ。やたらと突っ掛かってくるあの氷精をあしらえる程度の口先ならば持っている。 そもそも、答えなど最初から決まっているのだ。 「お前が行く所なら何処へでも」 「そう。なら行きましょうか」 そう告げて歩き出すレティに遅れないように、その横に並ぶ。 ふとその横顔を覗こうとすると、彼女は笑顔でこちらに振り向いた。 冬の妖怪とは思えないような、柔らかく暖かい笑顔で。 そうだ、この表情に俺は惚れたんだったな…… 「ねぇ○○」 「何だ?」 「メリークリスマス。今冬もよろしくね」 「こちらこそ」 今年の冬も少女と一緒に―― うpろだ693 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ねぇレティ!次はね!」 今年もこの季節がやってきた、紅葉は終わり、葉は落ち、目の前には雪原が広がっている 白のなかに青い妖精と雪女 「・・・」 「レティ?」 先ほどから挙動不審にあたりを見回している 「・・・まだ起きてこないのかしら?」 「○○は寝ぼすけさんだからねー」 いつも待たせられる、私は冬しかないと言うのに 「ちっ、もうこの季節か・・・アイツはもう起きているのか」 本来眠るべき季節、それを無理して起きようというのだ 「妖怪とはいえ寒いもんは寒いぜ・・・」 のそりと緩慢に身を起こし、防寒具を纏った 「・・・いくか」 扉を開けたときに積もった雪を見て、引きこもろうかとも考えたが 決心して雪原へと足を踏み入れた 「あれ?・・・○ー○ー!!!」 チルノが急に飛んだ、彼の名前を叫んでいた気がする 「おっと、あんまりくっ付くな、夏も秋も会ってるじゃねぇか」 「・・・○、○」 「レティ・・・」 数ヶ月ぶりの再会、特に言うべき事はない 俺たち妖怪からすれば数ヶ月などたいした時間ではない 「・・・会いたかった」 「私も」 ゆっくりと抱き合った、変わらぬ抱き心地 「・・・冬が待ち遠しかったよ」 「待たせちゃったわね」 「待たせる方も辛いんだろ?」 どれだけ長い時間を過ごそうが、数ヶ月は長い ただ過ごした数ヶ月と、待ちぼうけの数ヶ月では 漫画を読んで過ごした3分と、カップ麺を前にまつ3分ほどの違いがあろう 唇を重ねた、雪女の唇は、柔らかくて少し湿って暖かい 前の冬と何も変わらない、またこの季節が来ただけの話 俺たちがいつまでも、いつまでも唇を重ねていると 「・・・まだ?」 背後から忘れていた奴の声がした 「や、やだ私ったら」 完全に浸っていたのか、我に帰ったレティは、真っ赤になってしまった まぁたしかに教育上あまりよろしくない行為だったね 「せっかく三人揃ったんだから遊ぼうよっ!」 ぶーぶーと五月蝿いチルノを肩に乗せて、雪を踏みしめて歩く そしてレティと手を繋ぐ、たぶんこれも前と変わらない さて、何の遊びをするか・・・ 雪合戦は危険だし、雪だるまでも作ろうか?しかしそれじゃ前と一緒だ 今冬は、少し違う事をしてみたいなんて、柄にもない事を考えた end 10スレ目 750 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○「レティ、メリークリスマス!」 白岩「あら、ずいぶんと遅いわね。もう一時間で終わっちゃうけど」 ○○「ごめん、遅れちゃって」 白岩「別に気にしてないわ。待ってもいなかったし」 ○○「そ、そっか……あとさ明日から」 白岩「知ってる。……ここから凄く遠い所に行くんでしょう?」 ○○「あ、知ってたんだ……」 白岩「まぁね」 ○○「……レティと会えるのもこの時季だと最後になる」 白岩「…………」 ○○「だからさ、あと一時間、一緒に祝ってくれないかな?」 白岩「どうして、私なのよ?」 ○○「理由はない、かな。敢えて言うならレティだから、かな」 白岩「意味が分からないわね」 ○○「じゃあ、もっとはっきり言わせてもらう――レティ、愛してる」 白岩「……ばかね。私と会えるのは他のに比べて少ない。春夏秋は私と会えないのよ?」 ○○「だからだよ。レティと会える間に、たくさん会っておきたいんだ」 白岩「……充分、よ」 ○○「え?」 白岩「動機が充分だ、って事。――さぁ、一緒に祝いましょう。短いけど」 ○○「あ、うん……それじゃ、改めて。メリークリスマス」 白岩「えぇ、メリークリスマス」 白岩「0時……クリスマスももう終わりね」 ○○「うん、ありがとう。楽しかったよ、レティ」 白岩「こちらこそ。こんなに時間が惜しいと思ったことは無かったわ」 ○○「そう思ってもらう為に来たから、凄く嬉しいよ。それじゃ、僕はもう行くから」 白岩「……確かにクリスマスは終わったけど、少し早すぎるんじゃないの?」 ○○「ごめん、伝えきれてなかったかな。明日に"なったら"出発しなきゃいけないんだ」 白岩「え……?」 ○○「身支度は既に整えてあるし、急がないと……それじゃ、また一年後!」 白岩「あ、ちょっと!」 非常に満足げな笑みを浮かべながら、彼は行ってしまった。 彼は、たまに自分勝手だ。今日は、それが本当に顕著に出ていた。 自分で勝手に来て、自分で勝手に「愛している」なんて言って。 自分が良ければ、それで良いのか。 私は満足していない。 もっと彼と一緒にいたいし、彼と一緒に余韻にも浸りたい。 それに。 ――私はまだ、彼に「愛している」を、言っていない。 「一年後――か」 他の三季は寝ているから早いと言えば早いのだけど、それでも、やはり長く思えてしまう。 特に、今季が終わるまでが。こんなに、早く眠りにつきたいと思ったことはない。 いつもなら、もっと長く続けばいいのに、と思ってしまうのに。 これは、私が素直になれなかった、罰なのだろうか。 しかし、逆に次の冬が楽しみになってしまった事もまた事実。 いつもなら、そんな事考えてる暇、無かったのに。 「"一年後"って言ったからには、来なさいよ。来なかったら氷漬けにしてやるんだから」 「レティー!」 向こうから、チルノが私を呼ぶ声が聞こえる。 久しぶりに、遊んであげますか。 彼に言う「愛している」は、来年まで暖めておきましょ。 11スレ目 501 504 ─────────────────────────────────────────────────────────── 冬が終わる あと一年はアノヒトに会えない なんで私は妖怪なのかしら 今伝えなきゃ あなたのことが好きですって あの人はどう返してくれるかな レティ「ねぇ○○ あなたは私がいなくなったら寂しい?」 ○○「そりゃ寂しいに決まってるだろ。レティやチルノと過ごすときが一番楽しいからな」 レティ「チルノもそう思ってくれてるよね?」 ○○「ああ、きっとチルノだったら「あたいったら次にレティに会うまでにさいきょうになってるんだからね!!」とか言うかな」 レティ「そうね。あの子はもう大丈夫よね…………ねぇ」 ○○「ん、なんだ?」 レティ「あのね私はあなたのことが好きなの。だから来年まで私のこと忘れないでいてくれるかしら」 ○○「………そうか。俺もレティの事忘れない、次ぎ会うまでは。俺もレティの事好きだから」 レティ「ふふ、うれしいわね。じゃあ冬までさようならね」 そう言いつつレティは俺の頬に軽きキスをした。 ○○「それは「さようなら」じゃなくて「またね」だろ」 レティ「うん、そうね。またね○○。冬にまた会いましょう」 ○○「おう、またなレティ」 私は冬が終わり、眠りについた。 あの人のことは忘れない きっとまた会えるから…… ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- おまけ チルノ「あれ、レティは?」 ○○「ん、チルノか。レティならもう眠りについたぞ。もう冬も終わりだしな」 チルノ「そーなのかー あたいったら次にレティに会うまでにさいきょうになってるんだから!!」 ○○(予想通りだな……) 13スレ目 343 うpろだ977 ─────────────────────────────────────────────────────────── 春。 花はその蕾を開き、多くの生物が長い眠りから目覚める季節。 人間、妖怪、動植物問わず、皆が待ち侘びたもの。 けれど、俺にとってのそれは、酷い憂鬱を感じさせるものだ。 草原の上で、隣に座る彼女に目をやりながら、そんなことを思う。 「どうかしたの?」 柔らかな表情で彼女、レティは問う。 その顔も、様子もいつもと変わらない様子で、こっちが悩んでるのが馬鹿らしく思えるくらいだ。 「いや、今年は結構早そうだなって思ってな」 苦笑しながら、つぶやく。 そう。いつものことだ。ただ、早いか遅いかだけの話。 「そうね。私としては、もうちょっと居たかったけど」 少し残念そうに言う。最も、そこに悲愴感はない。 冬になれば現れて、春になれば消える。 レティにとって、それは当たり前のことだ。 だからこそ、こんなにも俺達は落ち着いていられる。 「まぁでも、この冬も楽しかったよ。次の冬が楽しみだ」 「去年も同じようなこと言ってたわよ」 いたずらっ子のように、期待したような目を向けてくる。 「……そりゃ、レティと居られれば、それだけで楽しいからな」 気恥ずかしさから、視線を少しずらしながら言う。 俺の答えに満足したのか、彼女は穏和な笑みを見せ、俺の肩にもたれかかってきた。 「私も」 それきり二人の間から言葉が消える。 鳥のさえずり、木々のざわめき、風の揺らめき。 春を祝福する声があちこちから聞こえてくる。 けど、俺が一番強く感じたのは、もうすぐ消えてしまうだろうレティの鼓動だった。 「レティ」 「何?」 言葉少なに呼び合う。 「愛してる」 「それも去年と同じね」 からかうように笑う彼女。でも、どこか嬉しそうだった。 「私も愛してる」 「それも去年と同じだ」 自分でも陳腐な言葉だとは思う。 でも、その言葉が俺にとっては何よりも嬉しかった。 そんなつまらないやりとりの後、二人で笑い合う。 こんな時間がずっと続けばいいのに。そう思わずにはいられないくらい、満ち足りた時間だった。 「じゃあ、そろそろ行くわ」 「ん、わかった」 何でもない挨拶のように言う。 それも当然だ。このやりとりだって、何度繰り返したことか。 そして数瞬後、不意に体にかかる重みが消えた。 「……もう行ったか」 草原に足を伸ばし、寝転がる。視界に広がるのは、抜けるような青空。 暖かな風が頬を撫で、側にあった草花が揺れる。 ホント、どいつもこいつも春だからって騒ぎやがって……。 視界がだんだんと涙でにじむ。 いつものように話をして、いつものように別れの挨拶をして、そしていつものように泣く。 この行為には慣れた。けど、この感情には、まだ慣れない。 やっぱり、春は憂鬱だ。 俺は目を瞑り、心地よい眠気に身を委ねることにした。 13スレ目 381 うpろだ982 ─────────────────────────────────────────────────────────── 冬が終わる あと一年はアノヒトに会えない なんで私は妖怪なのかしら 今伝えなきゃ あなたのことが好きですって あの人はどう返してくれるかな レティ「ねぇ○○?あなたは私がいなくなったら寂しい?」 ○○「そりゃ寂しいに決まってるだろ。レティやチルノと過ごすときが一番楽しいからな」 レティ「チルノもそう思ってくれてるわよね?」 ○○「ああ、きっとチルノだったら「あたいったら次にレティに会うまでにさいきょうになってるんだからね!!」とか言うかな」 レティ「そうね。あの子はもう大丈夫よね……」 レティ「……ねぇ」 ○○「ん、なんだ?」 レティ「私は……あなたのことが好き、だから来年まで……覚えててくれるかしら?」 ○○「………そうか。俺もレティの事忘れない、俺もレティの事好きだから」 レティ「ふふ、うれしいわね。じゃあ冬までさようならね」 私は○○の頬にキスをした ○○「それは「さようなら」じゃなくて「またね」だろ」 レティ「うん、そうね。またね○○。冬になったら会いましょう」 ○○「おう、またなレティ」 私は冬が終わり、眠りについた。 あの人のことは忘れない きっとまた会えるから…… それから……暖かい春が訪れ、蒸し暑い夏が来て、少し涼しい秋が来た レティ「……もうすぐ冬ね……○○……」 私ももう少しで外に出られるようになる 冬が来た 真っ白い息 降り始めた雪 一面の銀世界 ○○「待ってたぜ」 レティ「あら、浮気しなかった?」 ○○「お前がいるのにそんなことするわけないだろ?」 レティ「あらまあ、ずいぶんと大人びちゃって」 ○○「そりゃあ冬からは大分経つからな」 レティ「私にふさわしい男になってくれた?」 ○○「……その様子だとお姫様抱っこは無理だな」 レティ「ちょっと!それどういう意味よっ!」 ○○「ははっ!少しからかっただけだぜ」 レティ「まったくもう……」 ○○「……なぁ」 レティ「なーに?」 ○○「今度は俺からしていいか?」 レティ「え、あ、その」 ○○に抱きしめられ、キスをされた とても長く、深いキスだった 辺りには雪の降る音しかなかった レティ「ん……ちょ、ちょっといつまで抱きついてるのよ」 ○○「……少しくらいいだろ?こちとら待ってたんだから」 レティ「それはお互い様よ」 ○○「そうだったな。でもお前は去り際に頬にキスしていったじゃないか」 レティ「それは……その……」 ○○「な?」 レティ「……しょうがないわね……」 ○○「大丈夫だ、それ以上のことは今日はしないから」 レティ「え!?」 ○○「びっくりした?」 レティ「ま、そりゃあ……その」 ○○「レティさえよければ俺は」 口止めに○○にキスをした 今度は触れるだけのキス ○○「……本気なんだからな」 レティ「わかってるわよ、そんなこと」 ○○「さーて、チルノのところにでも行くかー」 レティ「そうね、久々だから喜ぶかしら」 私達は歩いていく 深雪の道を 二人手をつないで うpろだ1437 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「……本当に大丈夫なのか?」 「しつこい男は嫌われるわよ、早く案内しなさいな」 「まぁいんだけどさ……無理はするなよ」 これで何度目か、俺もわからない。 でも、言わざるをえないだろ?だって本来ならまだ…… 「くどい、ほら早く行きましょ、時間は短いのよ」 そういって俺の手を引っ張る彼女の手はひんやりとしているがどこか暖かさを感じさせてくれる。 その彼女になす術もなく引っ張られる俺を周囲はどんな感じに見ているやら。 しかし実に意気揚々としていられるとこちらとしては仕方ないというもの。 全く困ったものだ、そして実はほとんど困ってない俺が一番困ったちゃんなわけだがな。 彼女、レティ・ホワイトロックに手を引っ張られながら俺はもう帰ってこないと思った【こっちの世界】の駅を歩かされていた。 始まりは長月の最初の頃に俺の家に直接スキマ妖怪が天狗の新聞を持ってきた事から始まる。 「と、いうわけで幻想郷の色んな連中で神無月限定下界旅行を計画中ってわけ」 「それはこれを見ればわかる。 まぁお前さんにしては周囲に対してかなり親切なのがかなり怪しいくらいで、至って問題はないだろう。 俺のように下界から来た連中と一緒にラブラブデートやら取り合いとか発生しまくりで一般人が可哀想な事になりそうだが その辺はまぁごまかしくらいは簡単だろう、むしろしてくれんと困る」 その辺はいくら妖怪さんやらなんやらでも色々とやってくれるだろう、見た目ほとんどわからんのが多いわけだし。 しかし、だ。 「相手のいない俺にこれを持ってくるのは八雲流の嫌がらせか……?」 それだったら俺は博麗神社にあることないこと言って泣きつくぞ本当に…… 幻想郷に来たというか迷い込んだ時この女には酷い目にあわされたからなぁ…… この女が寝ぼけてて俺が喰われかけたのはトラウマもんだったぞ、藍さん止めてくれなかったら今頃俺は……考えなかった事にしよう。 まぁそんなこんながあって今じゃこうして友人みたいな会話できるっていうんだから世の中わかったもんじゃない。 俺は自称、というか自他共に認めるはずである普通の人間だからな…… 「あら、相手ならあなたにだっているじゃない。 ほら、地下室で寝ているあなたの愛しい愛しい彼女さん」 むっ……知っているのか、彼女の寝床を。 「安心なさい、さすがに寝室御拝見はしてないわ、寒そうだし。 私、こう見えてもその辺は弁えておりますもの」 うさんくせぇ……と表情に浮かべたらスキマ開かれそうになったのでお茶菓子を追加した。 ちくしょう、虐めはよくないんだからね! 「何にしたって今はまだ長月だ、彼女が起きてくる時間じゃあない。 無理矢理起こすような事だってしたくはないしな」 今更あっちの世界に未練などは無い。 そう、未練はもう…… 「まぁまぁ、ここは彼女に決めてもらいましょうか、案内お願いね。 私、こう見えても人の家を勝手に捜索しませんのよ」 今度こそうさんくせぇと表情で浮かべたらいつの間にかスキマから出していたであろう傘で殴られかけた。 俺の白羽取りが後一秒遅れていたらでかいたんこぶできてたに違いない。 だから弱い者虐めはやめろよなぁ…… 「……あんまり起こしたくはないんだが」 「寝起きが悪いとかかしら?」 家の奥にある地下室を下っていく。 入口の時点で長月とは思えぬ寒さを感じるがもう慣れたものだ。 八雲紫もその辺は大丈夫のようだ、さすが長年生きてる大妖怪はちが・・・ 「おーけーゆかりん、頼むから肩から手を放してくれ。 か弱い俺はそのまま脱臼どころじゃすまなくなるから勘弁な!」 「女性に年は厳禁って前にも言ったでしょうに」 えぇえぇ存じております、彼女にも凍死させられかけた事ありますからね。 だけど言葉に出してない事までは勘弁してくれよぅ…… そんな馬鹿な会話というか命は投げ捨てるもの……とか言ってしまいそうな俺の生命の危機を何度か体験しながら一番下まで到着した。 ほんと、ここまでやるのは大変だったなぁ……何年かかったか忘れちまったい。 掘り始めは俺もまだ……おぉっと、まだ俺は20代20代。 「何一人で感慨に耽ってるか知らないけどここに彼女……レティ・ホワイトロックがいるのね?」 八雲紫の指差す先にある扉、そうそこに…… 「あぁ、お姫様は夢の中って感じだな」 彼女と会って、そして彼女を好きになって、彼女に受け入れられて、そして彼女と共に暮らしている今。 レティは冬以外地下にいるけれど、それでも俺は一向に構わなかった。 彼女が俺を信頼して地下で寝ていてくれている、それだけで十分すぎるものだ。 「さて、ちょっと夢の中のお嬢さんとこの素敵な魔法使いが夢の中で話をさせてもらおうかしらね」 「頼むから変な事はあんまりするなよ?」 「わかってるわ、悪夢にはしないわよ」 そういって八雲紫はスキマの中に消えていった。 青年待機中…… 「うーむ、何をしているのやら」 地下にいるが故に時間の流れはよくわからんが10分は経っているだろう。 しかし全く向こうからの反応はない。 防音処理はしてあるから中の音はそう聞こえないとは思うが…… 「うーむ気になる、何か疚しいことをしていないか気になってしまう。 入って、いやいや駄目だ、俺の決まりに反する」 冬以外はこの先には入らない事に俺はしている。 レティは別に「別に入ってもいいのに……」と言っていたが向こうは寝ているのにそれは迷惑になる。 それに、その、なんというか……可愛い寝顔を見ると色々と、な。 故に俺は入らないことにしている、しているのだが…… 「いや、今ある意味非常時だし…いやしかし…一度見ちゃうと…いやもう起きてる可能性も…うぅむ…」 座り込んで入ろうか入らずにこのまま待とうかいよいよ俺の脳内会議が白熱してきた頃…… 「何一人で座ってぶつぶつと頭抱えてうねってるのよ……」 声の方を向くとそこには去年の冬の最後にここで見たままのレティがそこに立っていた。 少し眠そうに眼をこすっているがちゃんと起きているレティ・ホワイトロックがそこに…… 「あぁ……いや、もういいんだ、済んだことだから」 いきなりの事で少々冷静になれていないが何とか頭を落ち着かせながら俺は立ち上がった。 眼前にはレティ、あの時彼女がこの部屋に入って長い眠りにつく前と変わらぬレティ。 「そう」 微笑するレティに俺の頭は未だ落着きを取り戻せない。 何か言わねば、そういつもこの時に必ず言う言葉を…… 「えーと、その、なんだ……おはようレティ」 「ふふっ、おはよう、今回はちょっと早起きだけどまた冬までよろしくね」 お互い同時というくらいに抱きあった。 ひんやりとレティから冷気を感じる、しかしまったく寒さを感じない。 むしろレティの温かさを俺は感じるほどだ。 「やっぱり……〇〇を感じれないと寂しいわね」 俺の胸にレティが顔を埋めてきた。 「あぁ……俺も寂しかったよレティ」 レティが顔をあげる、そのまま目を閉じてその唇が俺に迫って… 「ぎりぎり、私だって相手がいるのに人のを見るのってこんなに嫌なものなのねぎりぎり」 扉からスキマ妖怪がハンカチ噛み締めながらこっちを見ているのに気づいて慌ててお互いに離れた。 ていうか忘れてた、すまん…… 「冬の妖怪もこう春じゃ幻想郷はもう四季なんて無くなってるわねぇ……いいものいいもの、家に帰って××とイチャイチャするから」 嘘泣きしながらスキマに帰ろうとする八雲紫、こりゃ××はこの後相当大変な目にあいそうな・・・すまん××。 帰ろうとした矢先に何か思い出したのかこちらを八雲紫が振り向いた。 「あぁ、それとあなたの彼女さん行くっていったからちゃんと向こうの事とか話しておきなさいねー それじゃあ、よい旅プランを期待してるわ」 そういって隙間の中へ消えていった。 後に残ったのはまだちょっと赤みが抜けきっていない俺とレティのみ…… 「無理していかんでも……」 本来ならまだ寝ている期間だというのに。 「いいの、一度見たかったのよ……あなたが生まれた、育った場所を」 迷惑だった……?とちょっと困った顔をされると何も言えない。 「うーん、何も楽しいものはないと思うがそれでもいいのか?」 「あなたと一緒に行ける、それだけで十分だもの」 後ろから抱き締められた。 俺は無理はしないでくれよ……と言いながらレティの手に手を合わせた。 こうして俺とレティの下界旅行参加が決定した…… さて、何事も無ければいんだがなぁ…… ─────── 「いやまて、そんなに急がなくてもまだ余裕あるから……」 俺の制止もどこ行く風、といった感じで目的のホームに向かうレティ。 もちろん俺の手を握ったまま、つまり俺は引き摺られるように連れていかれているわけだ。 正直周囲の目が……あ、今プリズムリバー次女とその旦那と目が合った、えぇいやめろ、その笑みはやめろ! うわっ、今度は三女とその彼氏か、だからそのニヤニヤはやめろってぇの! 「あーもう……好きにしてくれぇ」 俺が一度手を離し、ホールドアップすると今度は後ろ首持たれた状態でずるずると引き摺られていくことに。 向かう先は港町を通る電車のホーム。 つまり行く先は……俺の生まれ故郷。 「んで、どこか行きたいところはあるのか?」 八雲紫が帰った後、今で俺は記憶にある限りの向こうの情報を話した。 レティはアイスティーを飲みながらうーん、と少し考えだしたが直ぐに答えは出たらしく、こっちを向いて 「あなたの生まれ故郷に行きたいわね……」 とやんわりと微笑んで言った。 それはあれか、俺の親が見たいとかそういう類か。 「いえ、ただ見たいだけよ。あなたの故郷が」 そういって窓の外を見るレティの顔はどこか愁いを帯びていた。 他に行きたいところは無いのかと聞いたが特には無いらしく、俺任せにされてしまった。 まぁレティを喜ばせられるところでも何とか考えておくか、ということにして俺たちは当日の準備をした。 ちなみにだが別に咲夜、じゃない昨夜はお楽しみでしたね、とかいう内容は……ない、ということにしておく。 えぇい、いいだろ別に、久しぶりだったんだから! 「それじゃあかいさ~ん、各自あんまり羽目を外し過ぎて時間オーバーしたりしないようにね~」 八雲紫の号令の下、それぞれ各々の面々と駅内に散っていく。 聞いた話じゃ北は北海道、南は沖縄とまぁ広い範囲に皆散るらしい、羽目外し過ぎて厄介な事しなきゃいいけど。 「それじゃー○○ー楽しんでらっしゃーい」 相方の××の手を引きながら悠々と八雲紫は改札に消えていった。 おーおーぎゅっと繋いじゃってまぁ、幻想郷の大妖怪も愛の前じゃ女の子ってやつかね。 「さて、では私達も出発しよう。ではな○○、気をつけてな」 続いてその式、八雲藍とその夫の△△の二人がこちらに挨拶に来た。 行く先は温泉で有名な地とのこと、まぁ色々と疲れが溜まっているであろう二人だ、ゆっくり休みを取りたいところだろう。 「あぁ、そっちもな」 手を両名に振る。二人は八雲紫とは別の改札方面に向かって行った。 しかし狐の尻尾とか耳とかよく隠せるもんだな・・・まぁ見えたらまずいわけだが。 解散場所にはどうやらこれで俺とレティ以外いないようだ。 「さて、では行きま……うぉっとぉ!? 」 レティに向いて行くかーと言おうと思ったらもう我慢の限界だったのかレティに手を引かれる形で連行される羽目となった。 はぁっ、まったく困ったお嬢様だ、こういうのも俺ぐらいにしか見せない可愛いところではあるが。 「全く、そんなに急いでいかんでも……電車は逃げんぞ、時間内は」 結局駅のホームまで引き摺られて俺の襟はすこーし長くなってしまっている。 今はレティはそんな俺に気づいてか少ししゅんとした感じになっている。 「だって……早く見たかったんだもの」 頬を少し赤く染めてぷいっとそっぽを向かれてしまった。 むぅ、相変わらず可愛い奴だ。 「いやまぁなんというか別に怒ってるわけじゃないんだがな。 急がばなんちゃらといったりだな、えぇといや、うーむ……」 頬を掻きながらその可愛さに根本から負けている俺がいた。 俺の慌てる様が面白かったのかくすりとレティが俺を見て笑った。 かなわんなぁ、やっぱり。 「あら、冬のカップルじゃない」 声に振り向くとそこには紅魔館メイド長と紅魔館執事長が。 主人の吸血鬼やら魔女やらはいないようだ。 「何かその言い方だとこの人も冬にしか起きないみたいね…… あ、でもその方がずっといられていいわね」 「やめい、現在進行形で人間の俺にそこまで寝れるはずがないだろう?」 まぁずっと一緒というのには惹かれるけど。 しかし、彼女と一緒に生きていくには最終的には俺も…… 「あら?どうかしました?」 おっといかんいかん。 「いや、何でもないさね。 そういえばそちらさんはどちらへ?」 「私たちは北へ。 高原で羽を休めてくるわ」 なるほど、こちらの従者も羽休めか。 どこの従者も苦労してるもんだ。 「私たちは上のホームだからもう行くわね。 あなたたちも良い旅を」 「あぁ、良い旅を」 手を振りメイド長が、一礼してその後を執事長がそれぞれ上の階段へ消えていく。 そういやあの執事長全く喋らなかったな。 あいつにとっちゃ外ではメイド長が主なのかもしれんな。 二人っきりのときはどうかはしらんが。 「いつまで他の女を見ているのかしら?」 いっていって!背中を抓らないでくれ! 相変わらず嫉妬深いぜ、とほほ 「これが電車…… 人間は凄いわね、色々な術を編み出すんだから」 「まぁどこぞの魔女とかスキマのように瞬間移動でもできたほうが楽だろうけどな」 幻想郷の住人は空飛べるの多いし。 しかし長距離を移動する分には電車の方が楽そうではあるが。 むっ、発車のアナウンスが。 そしてゆっくりと俺とレティが乗った電車が動き出した。 「そういえばさっき何を買ってたの?」 「ん?あぁ、これか」 電車に乗る前に売店で見て思わず買ってしまったもの、〇印のコーヒー牛乳を取り出す。 向こうじゃ飲む事はできんがこっちじゃよーく飲んでたんでついつい買っちまったぜ。 「飲み物だ、こうストローを刺して、そして吸うんだ」 うむ、美味い。 前と変わらぬ味だ、本当にこっちの世界に戻ったのが実感できる。 「ほれ、飲んでみそ」 レティに渡してみる。 少し戸惑いながらレティはストローに口をつけた。 「甘いわね……うん、結構美味しいわ」 おっよかったよかった。 あれ? 「そういやこれ間接キスだな」 俺が何気なく言うとレティがんんっと吹き出しそうになった。 おっと失言だったか。 「げほっげほっ!そ、そういう事は思っても言わないでよ!」 「いいじゃないか、別に減るもんじゃないんだし。 それに、だ」 レティの肩を抱く。 あっ、とレティは俺の成すがままに寄りかかる体勢に。 「キスなら寝る前だー朝起きてだーとか色々とやってるじゃないか。 今更、恥ずかしがることでもないだろ?」 耳元で囁くと真っ赤な顔してストローをちゅーちゅー吸い始めた。 あ、俺の分は無くなるなこれ。 「ぜぇっ、ぜぇっ、こ、ここか……」 そんなこっぱずかしいことをしていると声が。 見ればプリズムリバー長女とプリズムリバーマネージャーが息を切らしていた。 慌てて俺とレティは少し離れる。 「ど、どうしたんだそんなに息を切らして」 努めて平然に俺は二人に話しかける。 二人は落ち着いてきたのか対面の席に座った。 とりあえず缶の緑茶を開けて二つあげた。 「す、すまない……んくっ……はぁっ…… メルランとリリカ達が勝手にどっかに行ったきり帰ってこないで探していたんだ。 ようやく見つけて行く前に色々と話をして気づいたらこの電車とやらの時間が危ないことになっていたんだ」 そいつはご愁傷様……おそらく全速力でこの電車に乗ったんだろうなこの二人。 まったく人の事笑っておいてあいつらは。 「それでレティさんと〇〇さんはこれからどちらへ?」 「俺たちは俺の故郷にでも行こうかと。 お前さん達は?」 「私たちはバイオリンの演奏会を聞きに行きます。 後は色々と見て回ろうかと」 なるほど、騒霊とそのマネージャーらしい。 それ以後取り留めのない会話をしている間ずっとレティはコーヒー牛乳をちゅーちゅーしていた、気にいったのだろうか? 「ふぅ、前よりもさすがに賑やかになってるか。 しかし変わらぬところは変わらないもんだ」 俺達の方が目的地は近かった為、別れと良き旅をお互いにかわし、俺とレティは俺の故郷に足を踏み入れた。 幻想郷に入ってこっちじゃ何年か……変わり行く時を感じさせる。 そして俺はもう幻想郷の住人だということも。 「さぁてと、俺の故郷についたわけだが何か見たいものでもあるかいお嬢さん」 着いてから微妙に暗いレティを見る。 一体何を考えているのか……予想はできても聞けん。 軽い調子でこれからどうするかを聞くくらいしかできない。 「あなたの好きな所に連れてって、私にはこっちの世界が全くわからないんだし」 そうさねぇ……あ、いいところ思いついた。 「んだば、お嬢様お手を拝借、そしてへいタクシー!」 別に叫んでも来ないし自分から乗り場にいかないといけないけどな! 「はい、到着。 んん~久し振りに嗅ぐこの匂いは新鮮だな」 「ここは……海?」 「おっさすが知ってるか。 幻想郷には無いからなぁ海」 しかしなぜか鯵やら秋刀魚が手に入る謎。 おそらく八雲紫辺りが何かやったに違いない。 砂浜に上げられたボートを椅子替わりに座る。 「ほら、座りな。 幻想郷じゃ見れん光景さね」 レティを隣に座らせる。 憂いを帯びた目は海の、いや、その先の地平線の彼方を見続けていた。 綺麗だ、と思っちまうのは惚れた弱みなのか。 「ふぅ……ねぇ?私が何を考えているのか大体はわかっているんじゃない?」 「俺は既に幻想郷の一員だぜ?もうこっちの世界に未練はないよ」 故郷がみたいと言った時に聞かれるだろうとは思っていた。 たぶん他の連中も聞いたり心の中で思ってたりするだろう、この世界に帰りたくはないかと。 まっ十中八九俺の様に答えるだろうな。そうじゃなきゃやれ相棒だ、やれ彼氏だ、やれ夫婦だなんぞ言わんだろ。 しかしレティはそれ以上の考えにいっていた。 「でも私達は他の子達とは違う。 あなたと共に過ごせる季節は冬だけ、皆の4分の1しかないわ。 だったらいっそ……」 確かに基本レティとは冬にしか会えない。 最初はそれが大きな壁となって俺達の前に立ちふさがった。 だが俺はそれでなおレティを愛した。 それぐらいで愛せないようなら初めから彼女を好きになんてなってないも同義だ。 「なぁレティ、お前さんと一緒に暮らすようになって結構経つけどさ。 俺はお前さんと暮らしたいからと地下室を作った、お前さんは喜んでくれた。 俺は一年中レティと一緒にいられる気がしてたんだ。 俺とレティの家だって、実感が沸いていたんだ」 結局自己満足かもしれないことだけどさ、と心の中で付け加える。 「……えぇ、あそこはあなたと私の家だわ。 でも、私は寝ている間あなたに温もりも何も……」 「いいんだレティ。君がいてくれることがわかるだけで俺はいい。 まぁそうだな欲を言えば寝てる時に俺の夢でも……」 話している途中で俺はレティに抱きつかれた。 顔を俺の服に埋めている、俺はレティの頭をぽんぽんと少し撫でる。 「ごめんなさい、ごめんなさい……私が……私が……」 「いいんだ、俺が好きでやってることだ。 男は甲斐性、このぐらいの事でへこたれちゃ恋人なんざ持てんさ」 しばし俺は海を眺めることにした。 彼女が泣き終わるまで、頭を撫でながら。 「おいっす久しぶりだなばぁちゃん。 言われたとおりブローディアの花だ、無けりゃ手ぶらって約束も忘れちゃいないぜ」 レティが泣き終えた後、俺はとある場所へ案内した。 変わらぬその場所にホッとしたが相変わらず人は少ない場所だ、まぁ無理はない。 しかしほんとうちのばぁちゃんは変人だな、ブローディアの花以外受け取らぬ、無けりゃ手ぶらで来いだからな。 どんだけ好きなんだブローディア。 「ねぇ〇〇、まさか……」 「あぁ、そうだ。俺には両親はいないよ。 いたのはばぁちゃんだけさ、そのばぁちゃんも、な」 俺とレティの先にあるもの、それは墓石。 俺の育ての親であるばぁちゃんはここに眠るわけだ。 一応こっちに帰って来たならその日に報告するのが孝行ってもんだろ。 「俺の両親は幼い時にどっかに消えちまったっきりだ。 そしてばぁちゃんはそんな俺を育ててくれたってわけだ」 ある種今の俺があるのはばぁちゃんのおかげだな。 「一時両親が帰ってくるなんて希望を持ってた時もあった。 だからさ、レティ、待つのなんて慣れっこだ。 気にせず冬が終わったら寝てくれ、俺は起きるまでちゃんと待ってるさ」 手を合わせながらレティに言う。 今は振り向けない、だって恥ずかしいじゃないか。 「おっと、報告忘れてたな。 ほればぁちゃん、俺の恋人だ、綺麗だろ?こっちじゃ羨ましがられる程の美人だろうな。 それと俺は今こっちの世界にゃいないんだ……だからたぶんこれが最後だろうな。 さらにいえばたぶん俺は人間やめちまうよ、すまねぇ」 「ちょ!?〇〇!?」 まぁレティが驚くのも無理は無い。今まで言ったこともないからな。 でもさっきの事が最後のひと押しだ。 「本気……なの?」 「待つには人の身じゃ限界が、な。 手段なんていくらでもあるさ」 よっという掛け声をあげて立ち上がる。 俺の報告はこれで終わりだ。 長々と色々と説明するのは俺も、ばぁちゃんも好きじゃない。 さて、行くかと言おうとしたが俺の座っていた場所にレティが座り、手を合わせた。 「ごめんなさい、私みたいな化生があなたの大事な息子を取ってしまって。 私は今まで妖怪という立場で人に数多の害を及ぼしてきたわ。 私みたいなのがあなたの息子と一緒にいる事に腹を立てるかもしれない」 あのばぁちゃんだとなに?妖怪?よくやった!とか言い出しそうで困る。 珍しいもの好きだからなあのばぁちゃん…… 「でも私は本当にこの人を愛してしまった。 あの人が私を本当に愛してくれている事がわかってしまった。 私は、この幸せを失う事が怖くて、でも、いけないと思って悩んできました。 だけど、だけど……自分に素直になろうと思います。 この人と一緒に歩んでいこうと思います…… ごめんなさい、私の我儘を許してほしいとは思いません、でも、私は…」 「もういいよ、レティ。 うちのばぁちゃんは話のわからない人じゃ無かったさ。 わかってくれてるさ、きっとな」 レティを後ろから抱き締める。 手に何かが零れているのがわかるが気にしない。 なぁばぁちゃん、俺は今幸せだぜ。 例え1年の4分の1しか会えなくたって俺は構わない。 こんなに可愛い恋人がいるんだ、それだけで十分だ。 さて、湿っぽいのはもう終わりだ。 明日から、楽しい楽しい二人っきりの旅行にしないとな。 俺たちにとって大事な、大事な1ヶ月だ、楽しく過ごさなきゃ損ってもんだろ。 さぁて、どうしょうかな…… 新ろだ65、326 ───────────────────────────────────────────────────────────
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レティ1 1スレ目 58 「もうじきお別れね…」 「俺、待つよ。 また冬が来て、君が戻ってくれるのを」 「今までも何人かそう言ってくれる人がいたわ。 でも結果はいつも同じ、その人は次の冬までの間に別のいい人を見つけてしまっている。」 「レティ!俺の気持ちがそんなに軽いと…」 「そうじゃない、そうじゃないの。 でもひと冬の間でいっぱいの私と一年の季節全てを生きるあなたとでは流れる時間が違いすぎるの! 私にとってはいつもの一晩と同じにしか感じない時間、 でもあなたにとってそれは私と一緒に過ごした以上の時間よ。 その間、ずっと待っててだなんて私には言えない。 だから…ここでさよならしましょ。」 「…わかった、じゃあ、これでお別れだ」 「……うん…」 「でも、次に出会ったときにまた惚れ直すくらいは許してくれるよな?」 「…うん…あてにはしないけど、ちょっぴり期待してもいいかな」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 778 「あなたは、何を望んでいるの?」 今はもう消えかけてしまっている彼女が、そう問いかける。 もう、向こう側が透けて見えるくらいだ。 それは、彼女が存在できる季節――冬が過ぎ去ろうとしている証拠であった。 ある秋の日。 目が覚めるとそこは自分がいた世界とは明らかに異なる世界だった。 幻想郷、と後に知り合った緑髪の妖精は言っていた。 ここは、外界から隔離した世界であり、戻るのは困難であること。 戻る方法は、博麗の巫女に頼むくらいであること。 色々なことをその妖精に教えてもらった。 教えてもらった情報を元に神社を訪ねてみた。 そこの巫女に訳を話すと、色々と都合が悪いため、元の世界に戻れるのは春以降だと言われてしまった。 そんなことから、俺の幻想郷での生活が始まったのだった。 初めのうちは外界との差もあり、やはり一日一日を過ごすのが精一杯であった。 しかし、色々な人たちと触れあい、二月経つ頃には何不自由ない暮らしが出来るようになっていた。 そんな、幻想郷の生活にも慣れてきていた冬のある日、俺は彼女に出会った。 その日、俺はいつものように森で食料を調達して帰る途中であった。 しかし、その日に限って何故か道に迷ってしまった。 「まいったな…こんなことになると思ってなかったから灯りも何も持ってないぞ?」 そして、あても無く彷徨ううちに、俺は山に出てきてしまった。 幸いなことに、少し歩くと手ごろな洞穴が見つかった。 「今日はもう日も暮れるし、ここで一晩明かすか…」 凍えぬように寝支度をし、俺は眠りに就いた。 明くる日。 俺は誰かの気配で目を覚ました。 「あら、生きていたのね」 目を開けると、そこには俺の見知らぬ少女が立っていた。 「ところであなた、良く大丈夫だったわね。このあたりは妖怪が多い地域だというのに」 紫色の髪、青色の服、不思議な形の白い帽子。そしてそれと同じように白い肌。端整な顔立ち。 一瞬、見惚れてしまった。 「あら、私の顔に何かついているかしら?」 そうして首をかしげる少女の姿は、とても愛らしく思えた。 しかし、今はそれより大切なことがある。 「ちょっと、いいかな?」 「何かしら?」 俺はその少女に、道に迷ったこと、どこをどう行けばいいかわからないことなどを簡潔に伝えた。 「…ということなんだけど、道わからないかな?」 聞くと、彼女は指をある方角に向けてこう言った。 「この方角に真っ直ぐ行けば湖畔にぶつかるわ。そこから先は大丈夫でしょう?」 詳しく聞いてみると、ここはあの妖精(と、おバカな氷精)が住む湖から少し奥にある山であるということがわかった。 「ありがとう。それじゃあ、俺はこれで」 「ええ、気をつけて」 そして少し歩いたところで、ふと気づいて振り返った。 「…? どうしたのかしら?」 「そういえば、君の名前を聞いていなかったな。俺は○○。君はなんて言うんだ?」 「私の名前はレティ。レティ・ホワイトロックよ」 「そうか、レティ、本当にありがとう。それじゃ」 そうして俺は無事に湖畔にたどり着いた。 ―――これが、俺と彼女との出会いだった。 それから暫くしたある日。 妖精に聞いてみたところ、レティは冬の妖怪であるとのことだった。 思い起こしてみれば、確かに人間とも妖精とも違う雰囲気があったように思える。 そしてその後、氷精をからかって帰る途中。 湖畔に佇む、見覚えのある後姿が目に入った。 「よう、レティ。先日はどうも助かったよ」 「あら、何時ぞやの人間。…○○だったかしら?」 一応名前も覚えていてくれたようだ。 「覚えていてくれたのか。嬉しいな」 「それはまあ、あんなとこで生きている人間を見るなんてそうそうないからね」 …さり気無く怖いことを言われた気がする。 もしかして、俺は相当危ない橋を渡っていたのだろうか。 「と、ところで、レティはあの時なんであそこにいたんだ?」 俺がそう聞くと、レティは決まってるじゃない、と言う顔をしてこう言った。 「それはもちろん、あそこが私の住処だからよ」 「そ、そーなのかー…」 そこまでは気が回らなかった。 まさかあんな洞穴に住んでいるだなんて。 「それはまた、勝手に使っちゃって悪いことしたなあ」 「いいのよ、別に。大して使ってないし。あの時も気まぐれで戻ってみただけだしね」 その後、俺はレティと他愛も無い話をして別れた。 別れ際に、いつもはどこにいるのかを聞いてみると、 「大体ここにいるわ。若しくは洞穴」 との返答が返ってきた。 それからというもの、俺は毎日のようにレティと話をした。 外界のこと、神社の巫女のこと、魔砲使いのこと、氷精のこと…。 いろいろな話をした。 彼女といると、時の経つのを忘れてしまうほどだった。 あの時はしみじみと見る余裕もあまりなかったが、今こうしてみるとやはり彼女は可愛かった。 いつしか俺は、レティに友達以上の感情を寄せていた。 それからまた暫くしたある日のこと。 冬の終わりを感じさせるような、少し暖かい風を感じながら、俺はいつもの如く湖畔でレティと話していた。 話がみょんなことから春の妖精の話になると、彼女は複雑な表情をした。 「レティ? どうしたんだ、さっきから浮かない顔して」 「いや…ね。春になると、私はまた消えなきゃならないから…」 そうだった。 以前妖精から聞いていた通り、レティは冬の妖怪だ。 それはつまり、春になると存在は出来なくなるというわけで… 「風ももう暖かくなってきているし…もうそろそろリリーが来る頃かしらね」 それはこのひと時が終わりを告げることを意味する。 そして、すっかり忘れかけていたが、春になれば俺は外界に帰らねばならないかもしれない。 …つまりは、レティともう会えなくなる、ということだ。 そのことを自覚した瞬間、俺は心に大きな穴が開く感じがした。 その夜。 俺は悩んでいた。 レティにこの思いを伝えるべきか否か、外界に帰るべきか否か、を。 悩みに悩みぬいた結果、決断は明日レティに会ってからにしようということにした。 その日、レティは湖畔に現れなかった。 次の日も、その次の日も現れなかった。 もう、消えてしまったのではないか、という考えが頭をよぎった。 半ば諦めかけ、家に帰ろうとした時、ふと彼女の言葉を思い出した。 「『若しくは洞穴』…か。行ってみるか!」 急ぎあの洞穴にやってくると、果たして彼女はそこにいた。 「…レティ」 俺が呼びかけると、彼女はこちらを振り返って少し驚いた表情をした。 「○○…どうして?」 「どうして、って言われてもな…気になったから来たんだ」 「…そう」 俺が近づこうとすると、彼女は俺を手で制した。 「あなたは、何を望んでいるの?」 今はもう消えかけてしまっている彼女が、そう問いかける。 「あの時からあなたはいつも私と一緒にいた」 もう、向こう側が透けて見えるくらいだ。 「あなたは、私に何を望んでいるの?」 それは彼女に残された時間が少なくなっていることを意味する。 もう、悩んでいる暇は――ない。 「レティ、一回しか言わないからよく聞いてくれ」 一つ深呼吸をする。 そして、一息に言い切った。 「俺は初めて会ったあの時からレティ、君のことが――好きだ」 レティが息を呑んだのがわかった。 暫くの沈黙の後、レティが口を開いた。 「私は…私は、あなたといると楽しい」 「それは、俺も一緒だ」 「でも…私は冬にしか存在できない、だから…」 「関係ないさ」 レティの言葉を遮るようにして俺は言った。 俯いていたレティが顔を上げる。 「たとえ、レティとは冬の短い間しかいられないとしても…俺はそれでも幸せだ」 「…いいの?」 「ああ」 「他の季節はあなたを悲しませてしまうけれども」 「永遠に冬が来ないわけじゃないんだ、待ち遠しくて悲しむ暇も無いさ」 「私は妖怪、あなたは人間」 「何を今更、種族なんて関係ないだろう?」 「…本当に、いいの?」 「レティじゃないとダメなんだ」 「…嬉しい」 そう言って、レティは俺の胸に飛び込んできた。 初めて抱きしめた彼女は、冷たくて、そして――温かかった。 「今年の冬は、長かったわ…」 俺は何も言わず、レティを強く抱きしめる。 「あの紅白や、白黒、おかしなメイドに初めて会ったときなんかよりもずっと、ずっと…」 彼女のぬくもりを逃がさないよう。 「また、来年会えるわよね?」 「もちろん」 最後に微笑むと、レティは光とともに消えた。 「春ですよーっ!」 窓の外からリリーの春を伝える元気な声が聞こえる。 レティが消えて程なくして、春が訪れた。 俺は巫女のところへ行き、ここに留まることを告げた。 巫女は呆れたような顔をして、 「ま、せいぜい妖怪に喰われないように注意しなさい」 なんてことを言ってきた。 妖怪に喰われる、か…。 そう考えると、俺は既に妖怪に喰われてしまっているのだろう。 レティに、俺の心を。 桜が散り、新緑の若葉が生い茂り、紅葉し、やがて枯れ落ち、冬が来る。 俺が幻想郷に来てから、もう1年以上が経った。 今日のこの寒さならば、きっと雪も降るだろう。 雪が降れば、きっと彼女も帰ってくるだろう。 冷たくて温かい、誰よりも愛しい彼女が。 「ただいま、○○」 自分で自分のをここに並べるのは非常に気が引ける件について。 だれか レティ たのむ ─────────────────────────────────────────────────────────── 212 寒いと言えば 「また会えたねレティ!今冬も俺と付き合ってくれ!」 と毎年言っては振られてるorz ─────────────────────────────────────────────────────────── 539 「そろそろ冬も終わりね」 「……そうだな」 そう俺の横で感慨深く呟くのは、冬の精霊レティ。 幻想郷では数少ない大人の女性の一人である。 四季折々の風物詩の一角。つまり冬しかいない、いれない彼女はもうすぐ消えてしまうわけで…… 「そんな顔しないで? 決して今生の別れ、というわけでもないのだし」 そんなに顔に出ていたのだろうか。まあ他でもない彼女が言うのだからそうなのだろう。 「レティがずっといれるだけの冬があればいいのにな……」 「いつかの時みたいに? ふふっ……私たちの所に巫女が来るわよ?」 「もしくは魔法使いか瀟洒なメイド、か。そりゃ勘弁」 軽く笑いあう。 渡すなら……今か。 「なあレティ」 「なあに?」 「少し早いけど、ホワイトデーのお返しだ」 直接手渡すのも気恥ずかしく、彼女に向かって放り投げる。 俺の投げた小袋は放物線を描き、ぽす、と軽い音を立てて彼女の腕に収まった。 この陽気では当日が来る前に彼女は消えてしまう、と予想した俺は急遽こーりんの店でクッキーを調達してきたのだ。 「……ありがとう、嬉しい」 そう感謝の言葉を紡ぎ、冬の精霊とは思えないような暖かい笑顔を浮かべた。顔が熱くなるのがよく分かる。 この笑顔を再び見るために、一年かけて俺は彼女を待ち続けるのだろう (惚れた弱み、だな) レティが嬉しさのあまり周囲が吹雪かせているのを感じながら、思わず苦笑する。 これが⑨だったりしたら問答無用で叩き落す所だ。出来るかどうかは別として。 そしてその数日後、ホワイトデーを待たずして彼女は消えてしまった。 ……さよならレティ。また、来年。 書いてる時は暖かいのに、いざ投稿する日はクソ寒い罠ww ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 78-79 78 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/12/21(水) 13 59 52 [ zas95HEM ] 窓の外は猛吹雪だ。 今日いっぱい降りこめて、今夜にかけてはさらに激しく降るらしい。 昨日の雪下ろしのお陰で外套はびっしょりで、天気が悪いから着替えもまったく乾いていない。 窓の外でレティが笑いながら、おいでおいで愛しい人と手招きしている。 さて、男ならここでながらうべきか死すべきか。 何が春だ。 こちとら冬真っ盛りだ馬鹿者もにょ。 79 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/12/21(水) 15 22 53 [ QO9wgSB6 ] 78 反対にレティを家の中に連れ込む勢いで。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 4スレ目 689 「春は涼しく過ごせる所を探す。夏はお前がよく眠れるようにに氷を持ってくる。 秋はお前が来る時の準備を始める。冬はお前と一緒にずっといる。それでいいか?」→レティ ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 92 最近、めっきり冷え込んできた。 (……そろそろ、かな) ふと思い立ち、軽く厚着して散歩に出る。 肌を刺す、とまではいかないがそれでも十分に寒い。 吐く息は白く、地面には枯葉が積もっている。 ……この分なら、会えるだろうか? 微かな期待を胸にぶらぶらと。どこぞの巫女のように。 そして小一時間後、俺は紅魔館の湖前に辿り着いた。 決して妖精の仕業で迷いこんだではない。 俺は最初から、ここを終着にするつもりだったから。 「……寒」 流石に水場という事もあり、ここは一段と風が冷たい。 普段の俺なら、こんな寒い場所には絶対に近づかないのだが……。 ……お、いたいた。 湖の畔に、俺に背を向けた状態で佇む一人の姿を発見。 半ば確信していたとはいえ、それでも自分の予想通りだと嬉しいものがある。 「……」 ここでほんっとうに唐突に、彼女を驚かせたい衝動に駆られた。 平時は落ち着き払った彼女の驚いた顔は、さぞ可愛いことだろう。 が、俺の足音によって、彼女はもう少しという所でこっちを振り向いた。残念。 まあ、こんなもんだよな。 「おいーす。半年ぶり」 半年振りに再会した事など、微塵も感じさせずに軽く手を上げ挨拶。 てっきり、向こうも柔らかく微笑んでくれるものだと思っていたのだが……。 「……遅かったのね」 目の前の女性は、少々お冠だ。 怒った顔も可愛い、とか言ったら更に怒るのは間違いないので言わない。 しかしなんというか、これはつまり、そういう事なのだろう。 「あー、すまん、どれくらい待った?」 「二日と半日。てっきり忘れられたかと思ったわ」 そう言って、冗談っぽく笑う。 半年前、最後に彼女と此処で別れた時と、何一つ変わっていない。 そう直接言ったら 「○○も」 と苦笑混じりに返された。微妙な気分だ。 まあいいか。 「とりあえず、今年もよろしく、レティ」 「ええ、こちらこそ」 ――今年も冬が始まる。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 6スレ目 276 「俺は、暑いより 寒いほうが好き・・・・・・かな」→レティ ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ338 「おい妖怪、お前がこの豪雪の犯人か?」 「もしそうだとして、人間が何か出来るとでも?」 「少なくともお前を殴るくらいは出来る」 吹雪の雪原で雪女に喧嘩を売るとは、自殺願望でもあるのか 適当にあしらってやろうと思い気温を下げる 「・・・気温を下げるのか、吹雪を強くしたり・・・まるで雪女だな」 「似たようなものよ」 おかしい、既に相当な寒さのはずだ、なぜ凍りつかない? 更に下げる・・・変化なし 「・・・」 何も変わりないように男は向かってきた 「な、なんで!?なんで人間のくせに!?なんで効かないの!??」 「気合だっ!!」 その一言と共に走った衝撃、消え行く意識の中、そんなアホな、なんておもった 「目が覚めたか雪女」 「っ!?」 がばっっと起き上がる どうやら山小屋のようだ 「・・・何のつもり?」 「いや、お前を倒せば吹雪が止むと思っていたんだが・・・弱くはなったが止まんので困っていたのだ」 この男・・・莫迦か? いや、それにしても・・・やっぱり莫迦なのか 「・・・なんで私を倒しにきたのよ」 「あー・・・最初は交渉するつもりだったんだがな」 「交渉?なんの?」 「このちょっと先に小さな集落が在る、今冬は吹雪が止まないせいで色々と困っていてな、それでこの吹雪の中まともに動ける俺が交渉役に選ばれたわけだ」 「・・・吹雪を止めて欲しかったのね」 「うむ、しかし・・・此方の勘違いであった、手荒な真似をしてすまない」 深々と頭を下げる男、莫迦だが悪い奴ではなさそうな・・・気がする 「・・・ま、別にいいけど・・・吹雪さえ止めば何とかなるの?」 「ああ、せめて食料を里から買ってこれれば何とかなるらしい」 「ふーん・・・仕方ないわね、力を貸してあげるわ」 「本当か!?ありがとう!」 強める事はあっても弱めることはないからなぁ・・・ちゃんとできるかしら? 「俺は○○、お前の名前は?」 「へ?れ、レティよ、レティ・ホワイトロック」 「そうか、レティか・・・宜しくレティ!」 こうして食糧不足の集落を救う人間と妖怪の作戦が始まったのだ ~プロ○ェクトⅩ~ かぜのなかのすーばるー 「一つの集落を食糧不足が襲った、外は猛吹雪、里にいけるような状況では無い」 「皆は、絶望した・・・しかし其処に一人の男が立ち上がる」 すなのなかのぎーんがー 「その男は冬の妖怪と協力し、見事一つの集落を救うことに成功した」 みんなどこへいっーたー 「恋に落ちる二人・・・しかし二人を待っていたのは、種族の違いという大きな壁であった」 みおくーらーれることもーなくー つーばーめよー(ry ~プロジェ○トⅩ~真冬への挑戦者達 今冬下旬公開予定!! 「ふーん・・・久しぶりに映画でも見に行くか」 ~完!~ ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ536 「あれからやっと一年か・・・・。」 俺はひっそりとそうつぶやいた。 晩秋、いや定義上今は初冬。俺は博麗神社にやって来た。夜が明けてまだ早く、息が少し白くなる。だが、神社の周りの木々は所々まだ黄色や紅に色づいていた。 一年間待った。いや一年間の猶予とも言うだろうか?俺が思いを伝える為に並べる御託を考える猶予。 俺は去年の二月、彼女と別れた。別れ際、彼女に思いを告げた。だが、その声が届く前に彼女は消えていた。彼女の答えを聞く事はなかった。 正直ばかばかしいとも思う。彼女は妖怪で俺は人間。共に生きる事など出来ないのだ。だが、この思いを伝えて、相手の答えを聞いて、無惨に砕け散るまで、俺は諦める事は出来ない。人間は、自分の欲求を満たそうとするから。 ばさっと布団がめくれ上がる音がする。巫女が起きたのだろう。それから五分後、彼女は外の様子を見に来る。そして、肩をすくめた。 「本当、懲りないわねぇ。今日来るかどうかだって、分からないのよ?」 「いつ来たって構わないようにしてるだけさ。誰も今日くるとは思ってない。それに、これを日課にすると体が鍛えられるんだ。」 「そもそも、妖怪と人間は、共に生きる事なんて出来ないのよ。」 「俺は別に共に生きようなんて事は考えてない。駄目でもともとさ。ただ、この思いを伝えないと、諦めがつかないんだよ。」 巫女は大きくため息をついた。そして、神社の中に戻ろうとする。 「ま、好きにしなさいな。私は何も止めないわよ。」 戻り際、彼女は呆れた声でそういった。 俺はそんな彼女の事など気にせずに空を見上げる。そのときだった。 「あらあら、空に何かあるのかしら?」 それは、一年前、厳密には九ヶ月前に聞いた声。俺は振り返った。俺の後ろに、彼女はいた。 「久しぶりだな。」 「ええ、別れ際、貴方が何か言うのが気になったから。戻って来ちゃった。」 「覚えていてくれたのか。」 「ええ。覚えていたわよ。○○。」 「覚えていてくれただけでも嬉しいよ。レティ・ホワイトロック。」 「で、あのとき、貴方は私になんと言おうとしてたのかしら?」 彼女は微笑みながらそう言った。俺は一瞬息詰まる。だが、俺は、彼女にそれを話すことにした。わしわし。と頭の後ろを掻きながら。 「レティ。あのさ・・・・」 九ヶ月かけて考えた「御託」を並べて。 俺たちの「冬」は、この時から始まった。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ542 出会いはいつも、唐突で 別れもまた、唐突で 「……寒ぃ」 ついぞ数日前までは秋と呼べていた気候も、いつのまにか真冬のソレへと変貌を遂げている。 まだ年が変わるには余裕が有り過ぎるというのに。 今頃里では急な変化に慌ててるだろう。雪吊りとか。 手伝うはずのところを抜け出して、こんな森へ来ているのも訳がある。 白い息を吐きながらふと思う。 「1年……か」 厳密には1年ではなく、もう少し短いのだが それでも俺にはとても長く感じられる。 漠然と過ごす時間と、待ち焦がれる時間では、天と地程も違うのだ。 森へは毎日のように来てはいたが、こうして待つために来るのは久しぶりだ。 「おーい、いるんだろ?」 アイツが来ていなければここまで冷え込んだりはしないから。 いないならいないで、別にいい。 また明日来て呼びかけるだけだ。 「だんまりを決め込むか……」 その場にごろりと寝そべる。 急いで走ってここまで来たせいか少々疲れていた。 (また明日……かな。嗚呼、帰って晩飯の支度もしないと……) ゆさゆさと、体を揺さぶられる。 「――きな い」 「……」 「――おきてってば」 「……んー……あと5分ー……」 「あと5分すら惜しいと言っていたのは1年前のあなたじゃなかったかしら、○○?」 寝ぼけた頭がようやく声の主が誰かを認識する。 眠気なぞ一瞬で吹き飛ばした。 飛び起きようとして ごいんっ 「「っ痛ー……」」 頭をぶつけた。 肉体労働で慣れているせいもあってか、すぐに立ち直る。 若干涙の滲む目を開けた先には、額を抑えてうずくまる待ち人の姿があった。 かけたい言葉が山ほどあったはずなのに、月並みな事しか口から出てくれなかった。 「よう、久し振り。遅かったな」 すぐに立ち直った俺とは違い、さすがに妖怪といえど女性。 ……ついでに結構な勢いでぶつかったせいか。 レティは涙目で俺を睨んでいた。 「優しく起こしてあげようと人が親切心を出してみれば……」 「あー……その、なんだ。……すまん」 両手を合わせて平謝り。機嫌をとること約5分。 ようやく普段の彼女に戻ってくれた。 「久しぶりね」 「ああ」 淡々と会話を始める。顔は合わせない。 背中合わせでだらだらするのが、俺達のスタイル。 「待たせちゃってる間は退屈じゃなかったかしら」 「焦がれすぎて死ぬかと思ったぜ」 死ぬかも、はさすがに誇張だけど苦痛に感じる程になってしまったのは事実。 「やめてよ、冗談に聞こえないから」 「冗談だ。ホントは酒屋の娘と……って嘘ですごめんなさいその右手に収束させてる冷気を早く散らして死んじゃう、死んじゃうから!」 うわあ、意外に嫉妬深いぞ……心にしっかりと刻んでおかねば。 「冗談でも……次にそんなこと言ったら許さないからね?」 「……イエス、マイフェアレディ」 「何?それ」 「"分かりました、我が愛しの人よ"という異国の言葉」 「…ばっかみたい」 口調とは裏腹に、後ろからは嬉しそうな気配が伝わってくる。 よくやった、俺。 「だけど、どうして今日だって分かったのかしら?」 「寒いじゃん、今日」 「それだけ?」 「あ、あとはそろそろレティが待ちきれなくなるかなって」 待ちきれなかったのは俺だけどな。 「そうね。確かに、待ちきれなかったわ」 「まだ年が明けるまで一月半もあるぜ?」 「それだけ貴方に会いたかったのよ」 背中の温もりが一瞬離れた後、包み込むようなモノに変わる。 どうやら背中同士から抱きつかれる形に変わったようだ。 「ま、そういうわけで」 「?」 「これからまた春までの間、よろしくな、レティ」 「こちらこそ。よろしくね、○○」 目の前に回されていた手を優しく握る。 冬の精といわれる彼女だが、その手はとても暖かかった。 「なぁ、ところで」 「何?」 「お前、少し太ったか?」 「……氷像にされたい?」 「嗚呼、それもいいな」 「馬鹿」 まだ11月半ば。 春が訪れるとされるまで、三月半。 今年は彼女と何をして過ごそうか……。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 10スレ目 228 「ああ、やっとこの季節が来たんだな」 つい先月まで暑さが続いていたというのに すでに吐く息は白く、窓から外を見れば霜が降りているのを確認できる 「・・・雪が降るのはまだかな、でも案外・・・」 この青年、冬を、この寒い季節を待ちわびていた それには一つの、想い 「さて、探しにいくか・・・」 厚手のコートを羽織り、雪が入らぬようにしっかりとブーツを編んだ そして彼は適当、もとい直感でふらつくのだった 「やっと・・・私の季節が来たわね、うふふふ」 野原に生えた高い杉のような木、他の草類はほとんど枯れている その杉の木の上で、両手を組んで偉そうにふんぞり返っている雪女 「ああ・・・此処に居たのか」 そこは今年の冬の終わり、彼女と別れた所 「えっ・・・○○・・・・・・○○っ!」 木から飛び降り一目散に俺のところへ ああ、せっかくのパンチラが 「○○っ」 そのまま俺の懐にダイブするレティ、俺はしっかりとそれを受け止めた 「あれ・・・しっかりと受け止めたね」 「そりゃあ・・・冬までにはもうちっといい男になってるって約束したからなぁ」 目標はレティをお姫様抱っこ!だったんだが・・・いや、昨年度までは貧弱だったんで、いやいや まぁ見栄を張るために鍛えたんだが・・・順調にマッチョになりつつある 「・・・お前は相変わらずぷにぷにしてるな」 「んっ、ば、ばかそんなと、こ」 むにむにと一年近くぶりにレティを確認した 「・・・レティ」 遊んでいた手を彼女の肩において、引き寄せる 人肌の恋しい季節、俺は彼女の唇の感触に、寒さを忘れて 「ぷぁっ・・・そんなところは相変わらずなのね」 「レティ・・・会いたかった」 強く抱きしめる、それだけで安心した 久しぶりに彼女にあって、抱きしめて、キスをして、それだけで別れが怖くなった だから忘れる為に、彼女を抱きしめた 「・・・暖かいのね・・・とけちゃいそう」 「あー・・・」 「ど、どうしたの!?」 「いや・・・幸せすぎるなぁ、と思ってな」 幸せだ、何を恐れる事があろう 年に半年足らずしか会えなくとも十分、一年分の幸せをその間に謳歌すればよし 「さぁレティ!遊びにいくぞっ!」 「ええっ!?何処に!?」 「とりあえずチルノのとこだー!」 俺は彼女の手を引いて走る、今年の冬も、疲れるまで遊ぼう、あの馬鹿なちびっ子も一緒に そんな冬がずっとずっと続いていく事を願いながら ~終~ ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ693 辺り一面の雪化粧。肌に感じる白銀の風。 そんな冬景色の中、一本の木の根元に俺と彼女は立っていた。 「雪は良いわね。これがあるからこそ、私の時間な気がするわ」 粉雪舞い散る空を見上げながら、彼女は何の気無しに呟いた。 「お前が頑張れば雪ぐらい降るだろ」 「自然に降るのが良いのよ」 そうかい、と適当に返して辺りの雪に目を落とす。 彼女の方も気分を害した様子も無く、そのまま空を眺め続けていた。 暫くの沈黙の後、冬服とは思えない軽い服を纏った彼女――レティに訊ねてみる。 「今日はクリスマスらしいな」 「そうみたいね」 「お前は何処かに出掛けないのか? 紅魔館辺りがパーティーでもやってるだろうに」 騒ぐ口実になれば何でもいいというのが幻想郷の常識なので、毎年クリスマスとなれば何かしら催しが行われているものだ。 妖怪が主催するものなど幾らでもあるし、彼女がその内の何処かに誘われていたとしても何の不思議も無いのだが。 それに対してレティは軽く頭を振った。 「私に縁の有る話じゃないし、暖房が効いてる場所は嫌いだから」 「そうか」 短く答えて話を切る。と、珍しくレティの方から話を続けてきた。 「あなたこそ、何処かに誘われてたりしないの?」 「俺は只の人間だぞ。縁が無いという点ではお前以上だ」 「只の人間ねぇ」 何故かレティはクスクスと笑った。何か変なこと言ったか? 「一つ忘れてるわよ」 「何をだ?」 「極度の寒がり」 「ほっとけ」 とりあえず不躾にそう返しておく。 確かに上着を二重三重に着込んでいる姿は、彼女とは対照的に見えるだろう。 だが俺が寒がりという以前に、レティと一緒に居るために必要なことだ。 雪中で動きにくいことこの上ないが。 ……と、いかんいかん。普段から無愛想だと言われる顔を余計に無愛想にしてどうする。 隣に視線を向けると、レティは少し意地悪そうな表情をしていた。 「ねぇ。冬の妖怪である私と、人間であるあなた。 種族の違うあなたが私と一緒に居たがる理由、教えてもらえるかしら」 「……またその質問か。去年も答えた気がするんだがな」 「そんな昔のことは覚えてないわ」 嘘だな。あれはもう一度言わせたい顔だ。 まあ別に今更恥ずかしがることでもないし、期待されたら応えるのが礼儀だ。 「種族の違いなんか知るか。惚れた女と一緒に過ごそうとして何が悪い」 ……わざわざ言わせておきながらレティは笑った。そういえば去年も笑われたっけか。 だけど一頻り笑い終わった彼女は、どこか嬉しそうな表情をしていた。 「ほんと変わり者よ、あなたは」 「褒められるのは照れくさいな」 褒められ慣れてないので素直に嬉しい……のだが、 そこが変わってるのよ、とレティには苦笑された。また変なことを言っただろうか? 先程言ったことを思い返しているうちに、レティは降り積もる雪の中に歩を進めた。 「さて、と……そろそろ時間かしら」 「? 何処にも誘われてないんだろう?」 「パーティーにはね。チルノたちに誘われてるのよ。 今日の夕刻、ミスティアの所で皆で騒ごう、だって」 「クリスマスに屋台か……。似つかわしくないね、まったく」 この聖夜に屋台とは場違い……とは言わないが、何処か違和感を感じるのは無理も無いことだろう。 確かにね、とレティは笑って、 「あなたは来ないの?」 「……いいのか? 部外者なんぞ誘って」 「構わないわよ。他の誰かを誘うなって言われたわけでもないし。 まぁチルノが機嫌悪くするだろうから、それは手立てを考えてほしいところだけど」 それなら大丈夫だ。やたらと突っ掛かってくるあの氷精をあしらえる程度の口先ならば持っている。 そもそも、答えなど最初から決まっているのだ。 「お前が行く所なら何処へでも」 「そう。なら行きましょうか」 そう告げて歩き出すレティに遅れないように、その横に並ぶ。 ふとその横顔を覗こうとすると、彼女は笑顔でこちらに振り向いた。 冬の妖怪とは思えないような、柔らかく暖かい笑顔で。 そうだ、この表情に俺は惚れたんだったな…… 「ねぇ○○」 「何だ?」 「メリークリスマス。今冬もよろしくね」 「こちらこそ」 今年の冬も少女と一緒に―― ─────────────────────────────────────────────────────────── 10スレ目 750 「ねぇレティ!次はね!」 今年もこの季節がやってきた、紅葉は終わり、葉は落ち、目の前には雪原が広がっている 白のなかに青い妖精と雪女 「・・・」 「レティ?」 先ほどから挙動不審にあたりを見回している 「・・・まだ起きてこないのかしら?」 「○○は寝ぼすけさんだからねー」 いつも待たせられる、私は冬しかないと言うのに 「ちっ、もうこの季節か・・・アイツはもう起きているのか」 本来眠るべき季節、それを無理して起きようというのだ 「妖怪とはいえ寒いもんは寒いぜ・・・」 のそりと緩慢に身を起こし、防寒具を纏った 「・・・いくか」 扉を開けたときに積もった雪を見て、引きこもろうかとも考えたが 決心して雪原へと足を踏み入れた 「あれ?・・・○ー○ー!!!」 チルノが急に飛んだ、彼の名前を叫んでいた気がする 「おっと、あんまりくっ付くな、夏も秋も会ってるじゃねぇか」 「・・・○、○」 「レティ・・・」 数ヶ月ぶりの再会、特に言うべき事はない 俺たち妖怪からすれば数ヶ月などたいした時間ではない 「・・・会いたかった」 「私も」 ゆっくりと抱き合った、変わらぬ抱き心地 「・・・冬が待ち遠しかったよ」 「待たせちゃったわね」 「待たせる方も辛いんだろ?」 どれだけ長い時間を過ごそうが、数ヶ月は長い ただ過ごした数ヶ月と、待ちぼうけの数ヶ月では 漫画を読んで過ごした3分と、カップ麺を前にまつ3分ほどの違いがあろう 唇を重ねた、雪女の唇は、柔らかくて少し湿って暖かい 前の冬と何も変わらない、またこの季節が来ただけの話 俺たちがいつまでも、いつまでも唇を重ねていると 「・・・まだ?」 背後から忘れていた奴の声がした 「や、やだ私ったら」 完全に浸っていたのか、我に帰ったレティは、真っ赤になってしまった まぁたしかに教育上あまりよろしくない行為だったね 「せっかく三人揃ったんだから遊ぼうよっ!」 ぶーぶーと五月蝿いチルノを肩に乗せて、雪を踏みしめて歩く そしてレティと手を繋ぐ、たぶんこれも前と変わらない さて、何の遊びをするか・・・ 雪合戦は危険だし、雪だるまでも作ろうか?しかしそれじゃ前と一緒だ 今冬は、少し違う事をしてみたいなんて、柄にもない事を考えた end ─────────────────────────────────────────────────────────── 11スレ目 501 504 ○○「レティ、メリークリスマス!」 白岩「あら、ずいぶんと遅いわね。もう一時間で終わっちゃうけど」 ○○「ごめん、遅れちゃって」 白岩「別に気にしてないわ。待ってもいなかったし」 ○○「そ、そっか……あとさ明日から」 白岩「知ってる。……ここから凄く遠い所に行くんでしょう?」 ○○「あ、知ってたんだ……」 白岩「まぁね」 ○○「……レティと会えるのもこの時季だと最後になる」 白岩「…………」 ○○「だからさ、あと一時間、一緒に祝ってくれないかな?」 白岩「どうして、私なのよ?」 ○○「理由はない、かな。敢えて言うならレティだから、かな」 白岩「意味が分からないわね」 ○○「じゃあ、もっとはっきり言わせてもらう――レティ、愛してる」 白岩「……ばかね。私と会えるのは他のに比べて少ない。春夏秋は私と会えないのよ?」 ○○「だからだよ。レティと会える間に、たくさん会っておきたいんだ」 白岩「……充分、よ」 ○○「え?」 白岩「動機が充分だ、って事。――さぁ、一緒に祝いましょう。短いけど」 ○○「あ、うん……それじゃ、改めて。メリークリスマス」 白岩「えぇ、メリークリスマス」 白岩「0時……クリスマスももう終わりね」 ○○「うん、ありがとう。楽しかったよ、レティ」 白岩「こちらこそ。こんなに時間が惜しいと思ったことは無かったわ」 ○○「そう思ってもらう為に来たから、凄く嬉しいよ。それじゃ、僕はもう行くから」 白岩「……確かにクリスマスは終わったけど、少し早すぎるんじゃないの?」 ○○「ごめん、伝えきれてなかったかな。明日に"なったら"出発しなきゃいけないんだ」 白岩「え……?」 ○○「身支度は既に整えてあるし、急がないと……それじゃ、また一年後!」 白岩「あ、ちょっと!」 非常に満足げな笑みを浮かべながら、彼は行ってしまった。 彼は、たまに自分勝手だ。今日は、それが本当に顕著に出ていた。 自分で勝手に来て、自分で勝手に「愛している」なんて言って。 自分が良ければ、それで良いのか。 私は満足していない。 もっと彼と一緒にいたいし、彼と一緒に余韻にも浸りたい。 それに。 ――私はまだ、彼に「愛している」を、言っていない。 「一年後――か」 他の三季は寝ているから早いと言えば早いのだけど、それでも、やはり長く思えてしまう。 特に、今季が終わるまでが。こんなに、早く眠りにつきたいと思ったことはない。 いつもなら、もっと長く続けばいいのに、と思ってしまうのに。 これは、私が素直になれなかった、罰なのだろうか。 しかし、逆に次の冬が楽しみになってしまった事もまた事実。 いつもなら、そんな事考えてる暇、無かったのに。 「"一年後"って言ったからには、来なさいよ。来なかったら氷漬けにしてやるんだから」 「レティー!」 向こうから、チルノが私を呼ぶ声が聞こえる。 久しぶりに、遊んであげますか。 彼に言う「愛している」は、来年まで暖めておきましょ。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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レティ3 Megalith 2012/01/25 人里に、最近開店した店がある。 外来人の青年が慧音の許可を得て始めた店で、少し変わってはいるが、いわゆる茶処であった。 春夏秋冬、季節を代表する軽食や甘味を用意する店で、味はそれなり。 すごく旨い訳ではないが、気軽に立ち寄れる雰囲気が人気となりつつあっていた。 場所が里の入り口に近い事も相まって、人妖問わず訪れる、そんな一角になりつつある。 そんな、茶処にて。 「こんにちは! 清く正しい射命丸です!」 鴉天狗、射命丸文が店に入ると、店内には青年一人だけしか居なかった。 「ああ、いらっしゃい」 バーのマスターの様な出で立ちの青年。 店主である青年は、来店した友人に笑顔を向ける。 「今日はあの人はいらっしゃいますか?」 「いやぁ……」 文の問いに、店主は苦笑を返して頭をかいた。 「冬真っ直中だからねぇ。中々忙しいみたいだな」 「あやややや。それは残念です」 返答を予測していたのか、文は軽く肩をすくめて席に着いた。 「それでは、普通にケーキセットを頂きましょうか」 「はいよ、まいどー」 カウンターでカップと湯を温め、茶葉を準備する。 程なくして、文の席にトレーに乗せてミルクティーと苺のショートケーキを乗せてやってきた。 「はい、お待ち」 「どうもー」 ケーキを食べ始める文をそのままに、店主はカウンターの内部の準備にかかる。 そろそろ、忙しくなる時間帯だった。 「じゃあ、またー」 「ん」 今日最後の客を見送り、店主は一つ背伸びをした。 「……っんー」 「お疲れさま」 横手からかかった声に、店主は笑顔で向き直る。 「お帰り」 声をかけてきたのは、店主より少し背が低い位の女性であった。 青と白を基調とした冬装束で身を包み、銀色の柔らかそうな短髪が風に揺れていた。 「ただいま。毎日大変ね」 「そっちこそお疲れさん」 互いに微笑みを向け合い、店じまい中の茶処へと入って行く。 店主が風呂から上がったところに、冬の妖怪、レティ・ホワイトロックは柔らかく声をかけてきた。 「そろそろ冬の大仕事はお仕舞いだから、また店の手伝いできるわね」 「おお、そりゃありがたいな」 軽く肩を回しながら、湯上がりの体にバスローブを羽織った。 「レティが居てくれたら、俺の負担が半分以下になるからな」 「あら。私でも役に立ててるのかしら」 「もちろん。お前が居なければ俺は今こうして居られないんだし」 店主の言葉で、レティはどこか遠くを見る様に視線を向けた。 「貴方にプロポーズされた時は、今でも鮮明に覚えてるわ」 「やめろ恥ずかしい」 自身も覚えているらしく憮然とする店主に、茶目っけの混じった笑みを見せる。 「俺は、何があってもお前を守る。たとえ俺の方が弱くても」 「お前の心は、俺が守ってやる」 吹っ切れたのか自分で続けた店主に、柔らかな笑みを返す。 そして、レティが椅子から立ち上がった。 「ねえ、今夜は」 「明日も仕事だぞ」 茶化す様に言う店主に笑みを向け、告げる。 「大丈夫よ。貴方が優しくしてくれれば」 「それは難しい注文だな」 妖艶に微笑むレティを抱き寄せ、唇を奪う。 「ん……」 深い口づけの後、そのままベッドに導かれる様に押し倒した。 「愛してるよ」 「ええ、私も」 それから暫くして。 「おはようございます! 清く正しい射命丸です!」 最近、朝一の常連となりつつある文が店内に入ってきた。 「あら、いらっしゃい」 アンミラ風の制服を着込んだレティが、文を席まで案内する。 「どーもー。冬のお仕事はお済みですか?」 「ええ。後は年末の大仕事まではお休みよ」 「それはそれはお疲れさまです。じゃあ、またウェイトレス生活ですね」 「ええ。慣れるとこれも楽しいものよ」 「これでまた、レティさん目当ての若い男性客が激増しますしねー」 文が楽しそうに言うと、店主が仏頂面で近寄って来た。 「注文は」 顔には、言葉よりはっきりと『レティは俺の嫁』と書かれている。 それに顔を見合わせ笑みを浮かべ合い、文が口を開いた。 「ケーキセットを……?」 ふと、文は店主を見上げた。 「……ん? どうした」 店主は不思議そうな文を見返し、疑問符を浮かべる。 「店主さん、疲れてますか」 「あ? あー……まあ」 どこかバツが悪そうに、店主の視線が泳ぐ。 泳いだ視線の先では、横に立つレティが微笑を浮かべている。 「……あぁ」 文は僅か頬を赤くしながら、苦笑を浮かべた。 「……そう言う事だ」 「……糖分は充分頂きましたので、今日はブラックコーヒーをおねがいします」 「あいよ」 注文を受け、カウンターに下がって行く店主とレティ。 寄り添う様に歩く後ろ姿を見遣り、文はカメラを構えた。 「甘味は店内に溢れてるんだし、辛い物も始めれば良いのにね」 ファインダーの中の二人は、幸せそうな笑みを交わしていた。 Megalith 2012/05/09 ――宴会後にフルマラソンをし、盛大に色々ぶちまけた上で倒れ付した翌日の二日酔い+筋肉痛。 そんな風に例えたくなるような気怠さと、脱力感と、胸糞の悪さと、頭痛、全身を這い回る疼痛。 それらを抱えて、僕は目を覚ました。 「ぐ……ぅ……」 まともに声も出ない程にしんどいが、とりあえず目だけは開いてくれた。 それでもぼやける視界の中で目を凝らし、焦点を合わせる。 「……ぁ……?」 白と木の茶色を基調とした家具の数々。天井に見える河童謹製のシーリングファン。 僕の家ではない。だけど見覚えがある――ここは、確か。 ――あそこにチルノちゃんの氷を仕舞っておけば、一年中活動くらいは出来るのよ。 見覚えのある、部屋の大きさに対して不自然に大きい、木製の暗室の戸が見え、 それに付随して笑いながら言った彼女の言葉が脳裏を過ぎる。 (……レティ……の、部屋……?) 起き上がれないものかと踏ん張ってみるが、身体はまだ動かない。 平時に比べて全く力が入らないし、熱いのか寒いのかもよくわからない。 自身の尋常でない体調は何によるものなのか、原因を思い返す。 (僕は、一体――) 目を覚ます前の、ひどく曖昧な記憶を呼び覚まそうと、思考を巡らせる。 確か、彼女と"一緒に"なるべく、賢者に方法を聞きに行って。 泣きながら嫌だ、怖いと愚図る彼女を、一日かけて、説得して。 それから、それから―― (そう、だ。彼女の"力"を、僕は取り込んだんだった……?) そういえば、彼女の。レティの姿が見えない。 ここにいないということは、出かけているのだろうか? しかし、彼女は外には殆ど出られない筈。今は夏真っ盛りなのだから。 だとしたら、一体。 (馬鹿な。そんなこと、あるわけ) 嫌な予感にざわつく身体に鞭を打ち、再度身体に力を込める。 全身がまだ動くべきではないと悲鳴を上げるが、そんな事知ったことではない。 「――っ、はぁっ、はぁっ」 仰向けからうつ伏せになり、肘を立てる事で僅かに上体を浮かせる。 滝のように汗が流れ落ちるが、今はそれよりも大事な事がある。 「レ――ティ――」 君は、一体、何処に。 そこまで思考を巡らせ、僕はベッドから身を乗り出し 「――ッ、――ッ」 誰かの声が、聞こえる。 額に柔らかい感覚。誰かの手かな? 「――してッ!○――!」 僕の事を呼んでいる、のか? そんなに悲痛な声で、どうしたのかな……僕はここに、いるのに。 「――私を置いて行かないで、○○ッ!」 彼女が壊れてしまうのではないかと思う程悲しみを滲ませた声に、意識を浮上させる。 重い瞼を渾身の力で開けて視界に映ったのは、涙で顔をぐしゃぐしゃにしたレティと―― 「……目を覚ましたみたいよ?」 何かの器具をいじくりまわしている永琳さんと、 「まったく……あまり女を泣かせるもんじゃないわよ」 呆れた顔に僅かに安堵の色を浮かべた紫さんが見えた。 「や、ぁ、レティ。それに永琳さん、紫さん、まで――」 一体どうしたんですか? と聞こうとした僕にレティが顔を埋めてきた。 「まだあまり無茶はしないで。ようやっと定着したばかりなんだから…… また彼女を悲しませたいのなら、話は別だけど」 「ええっと……ご迷惑を、おかけしました……?」 「まあ、そういうことね。半ば錯乱気味のその子を落ち着かせるのにだいぶ苦労したんだから」 しんどかったわー、と肩を叩く紫さん。 そんなおばさん臭い事を、と言葉には出さずに思っていると、 「そういう事やってると老けて見えるわね」 「なッ――」 しれっとカルテを書きながら永琳さんがのたまった。 言われた事に対して固まってしまった紫さんを尻目に、彼女は僕の脇に水差しと薬袋を置いた。 「とりあえず日に三度、それを服用する事。しなかったら多分今度こそ死ぬからね。 手持ちの道具だけじゃ詳しい事も断定出来ないから、落ち着いたらウチまでいらっしゃい。 それと――おめでとうと、ようこその言葉を貴方に送るわ」 そう言ってふわりと微笑む永琳さん。その言葉から察するに、僕はどうやら。 「有難う、ございます――それと、お世話になりました。これからもよろしくお願いします」 身体がレティの抱きつきによって殆ど動かせないので、首肯だけ返す。 満足気に頷いてまたカルテへと視線を落とした永琳さんから意識を外し、 なんとか動かせなくもなかった右手を未だ胸元で泣きじゃくるレティの頭に乗せ、軽く撫でる。 「ただいま、レティ。有難う、外は辛いだろうに、僕の為に動いてくれて」 「○○……」 ぐじゅ、と鼻水を啜り上げながら顔を上げるレティ。 白い肌に整った顔立ちが美しい彼女なのだけれど、今は目元を腫らし、涙でボロボロになってしまっていた。 そんな彼女も堪らなく愛しく、僕は頭に乗せていた掌をレティの頬へと移す。 「これで、いつまでも一緒にいられるね」 今の僕に精一杯出来る笑顔を浮かべてやる。 少しだけ驚いた顔をしたレティだったが、目元に涙を貯めたまま、素敵な笑顔を浮かべ頷いた。 「うん!」 ――以降、冬が訪れ雪が降る頃になる度に、幻想郷では二人の仲睦まじい雪の精が飛んで回ったそうな。 一部の者からは、寒いんだか熱いんだか甘いんだかわかりゃしない、との言葉が漏れたそうだが、 それは話に書き起こす程でもないようなので、割愛する。 異種族での悲恋でなんて終わらせたくなかったんや… うpろだ0028 夏のある日 「あつ……あつ……熱燗」 「?」 「あつぅ……あつぅ……厚塗り」 「どしたの?あつあつばっか言って」 「言霊と言うものがあってだなレティさんや」 「それと『あつ』は何か関係が?」 「今気温は?」 「かなり高いわね」 「それで感じる事は?」 「そりゃあt……あぁ」 ぽんと手を打って理解した素振りを見せる 「納得したか?」 「納得はしたけども、別にその位言っても良いと思うけど」 「言霊と言うものがあってだなレティさんや」 「繰り返してる繰り返してる、頭がついに熱暴走でも?」 「それくれぇ頭が回らんのだよ。何か無いかね良い案は」 遠くから聞こえる蝉の声が拍車をかけている 「良い案と言われてもねぇ、チルノでも連れてくる?」 「あの氷精が素直でいい子ならなぁ……」 「素直でいい子じゃない?」 「全然全くこれっぽっちも思えん」 「ま、言うこと聞かせるのは難しいか」 「その通り、塩梅って言葉を知らんからな」 限度を知らないって辺りが妖精の怖い所だと思う 「んあああああああ!、扇風機が恋しいわぁ」 「風を起こす式神だっけ?」 「んーそうな、その認識は間違いじゃない」 「魔法の森にある何でも屋に売ってないの?それ」 「あの店主とはウマが合わん、よって却下」 「随分上からねぇ。で、他に案は?」 「ねぇな」 「あら随分あっさりと」 「お前って言う手もあるんだがな、それは甘えかなぁと」 「……そう言えばそうね」 「無意識に冷気操ってたのかお前……」 「本能って言うのよ多分」 「うむ、万策尽きたわ」 「なら私の出番?」 「いや、何かしら考えてみるつもりだ」 妙な男のプライドが騒いでいる 「なら霧の湖に行ってみない?」 「えぇとその家から出るのもしんどいんですが」 「はいはい文句言わないで行きましょ行きましょ」 抵抗は華麗に躱され徒歩で霧の湖へ 霧の湖 「まさか毒状態を実演する時が来るとはな」 「ただ炎天下の中歩いてきただけじゃない……」 「歩くたびに体力削られてんだよこっちは!」 「知らないわよそんなの……」 「まぁいい、涼めれば万事解決だ」 湖に着くとほとりで止まり、水面に向かって大声で呼ぶレティ 「わかさぎさーん、居るー?」 突如水面からバシャァと顔をのぞかせる『ワカサギサン』とやら、水中から現れる辺り人ではなさそうだ 「はいはいなんでしょう」 「例の場所今空いてるかしら」 「この時間帯だと流石に妖怪は来ませんね、がら空きです」 「じゃあ夕方まで貸切いいかしら?」 「どうぞ、ごゆっくり」 わかさぎという人魚は話した後すぐ水中に消えて行った 「え、何あの……魚?人魚?」 「湖の管理人のわかさぎさん。種族上は人魚ね」 「人魚まで居るんかここは……」 食べたら不死になれるかなとか言う話題を出したらここに氷像が出来るだろう 「さてと、ちょっと泳ぐから服脱いだ方がいいかも」 「……泳ぐ?湖横断でもして涼もうってか?」 目視できる限りでは対岸が見えない 「それもいいけど、疲れるのは嫌でしょ?」 「どのくらい泳ぐんだ?距離によって決めるからよ」 「えーっとね、二十間って話だったかなぁ」 一間が大体2㍍だった気がするから……約30㍍か 「辛っ!日頃運動してないのに何て仕打ちだ!」 「涼みたいんでしょ?じゃあ頑張る頑張る」 「へいへい」 入水するなりレティは飛んで行ってしまった 「おーい、待てよー」 幼い頃培った平泳ぎもどきで進んで行くと、木の生えていないほとりにレティは立っていた 「遅ーい」 「泳ぎもしなかった奴が何を言ってやがる……」 濡れた服が少し不快だが陸地に上り腰を下ろす 「泳ぐ事で少しは涼しくなったと思うんだけど、どうかな?」 「日陰に居る事もあるからか快適だな」 周りを見回すと木が天然の屋根になっており微かにしか日光が入ってこない 「こんな秘境があったとは知らんかったなぁ」 「チルノに教えてもらったんだけどね、良い場所でしょ?」 「夏にはもってこいだな」 水に足を浸け、仰向けになる 「あー……これ最高だわ、昇天しかねん」 「……」 ふと横を見ると何やら言いたげなレティの顔があった 「どした、お前は暑くないから実感が無いのか?」 「紹介してこう言うのも何だけどね……」 少し恥ずかしそうにもじもじしながら言う 「ちょこっと嫉妬心が芽生えちゃったかなぁ……」 「何故に嫉妬心が芽生えるんだい?」 「貴方が頼ってくれないから……かな」 「そ……そうか」 突如襲い来る気まずい雰囲気 「……」 「……」 「な、なんか気温が上がってきた気がするなぁ。そう思わんかね?レティさんや」 そしてあまりにも不自然すぎるフォローを入れてしまった 「そうかしら?さっき快適だーとか言ってなかった?」 「さっきは、だ。今は少し気温が上がって暑くなってきたんだよ」 「はいはい、私は何をすればいいのかしら?」 勢いをつけて起き上がる 「ちょっと冷気を下さいな」 「毎度ありがとうございまーす」 微かな冷気を掻き集め、かなり冷えた空気がレティの両手で形成されていく 「ほぉ……塵も積もればって奴だな」 「で、これを……」 突如こちらを向き冷気を溜めたまま、背後へ 「ん?」 と思った時には時既に遅し 「それぇ!」 冷気の塊が近距離で飛んでくる 「……」 「どお?」 「お、恐ろしく冷えてますなぁ……」 夏場に冷凍庫をあけた瞬間の冷気が首から下を包む感じだ、しかも結構な時間 「ご満足?」 「かなぁり寒いんで……一緒に分け合いませんか?」 「それだと温くならない?」 意地悪そうな顔でレティが言う 「さっきの詫び、じゃあダメかね?」 「ん、ご一緒させてもらうわ」 嬉しそうに寄り添ってくる、が 「……おぶさる必要無いんじゃ」 「いーの、貴方も嬉しいんじゃない?」 「ま、まぁな」 背中に当たる柔らかな感触、すごく照れくさいのだが 「♪~♪~」 上機嫌で鼻歌まで歌っているのでどいてくれとは言えないのだった 「しっかし、わざわざ夏に出て来て大丈夫なのか?」 「冬の忘れ物筆頭としては暑いのは辛いんだけど……」 背中に当たっていた感触がやや強くなる 「恋人と長く、永く居たいから……かな?」 「はぁ……心配してんのにその返しはちっと卑怯じゃないんですかねぇ」 「心配ないよって言ってるの、無理したら貴方絶対怒るでしょ?」 「そりゃそうだろ!真夏の猛暑日に訪問する阿呆が居るかっ!」 「あれは自分でもちょっと反省してる……」 来るなり倒れられちゃこっちも怒るに怒れなかったけどさ! 「でもさ、あの時の口で悪態吐きまくってた割には凄く優しかったよね」 「行動と言動が不一致とでも言いたげだな」 「いいえ?優しかったなーって言いたいだけ」 レティの寂しげな表情からなんとなく彼女が望んでいる事が汲み取れた 「ほれ、戻れ」 さっきまで足を浸けていた所へ座るように促す 「……分かった」 レティは余程言う事が奇怪じゃない限り素直に従ってくれる、長年の信頼の賜物だろうか 「俺も最近レティと会えない日が増えたなってのは実感してた」 「……」 「いつでも居るのが当たり前で、そんな気持ちがあったから俺は寂しくなかったのかもな」 「……そっか」 俯いてしまうレティ、それを元気付けるかのように明るい声で言う 「でもよ、俺が寂しくなくてもお前は寂しかったのかもって思ってさ」 「それで?」 「どうせなら、一緒に住もうかなって」 「……本当に?」 振り向いたレティは驚きと不安が入り混じった何とも言えない表情だ 「長い事付きあってるし一緒になってもいいかなぁって勝手な判断だけど、レティが嫌なら無理にはす……」 泣いていた、ぽろぽろと大粒の涙が頬を伝い地面に落ちていく 「遅ぃ……よ……いっつも……」 レティに告白した時も言われた台詞だ。同じように、泣きながら 「うっ……ぇっう……」 「泣き止むまで待つか?」 「うぅん、大丈夫」 くしゃくしゃの顔で、こちらに両手を広げる 「りょーかいしやした、レティさんや」 胸にレティが顔を埋める。悲しい時や辛い時、彼女はこのポーズをして俺はそれを優しく抱き寄せるのが役目になっている 「……こっちの方が、いいから」 「そか、話続けても良くなったら言ってくれ」 「……分かった」 泣いている間は綺麗な白銀の髪をそっと撫で続けていた。暫くすると泣き止んだようで顔を上げた 「改めて言うぞ、一緒に住むか?」 「……当たり前でしょ」 つん、と人差し指で胸を押される。顔を下げた所を見ると照れているようだ 「ずぅっと、貴方と一緒になれたらなって思ってたの」 「なかなか言い出せなくて申し訳ねぇ」 「いいのよ。それに同居も嬉しいけどね……」 すっと顔を上げる 「離れてた距離も近づいたから、余計に嬉しいのよ?」 悩み事が晴れたすっきりとした表情で言う 「ん?同居ってのは物理的にゃあ近づくがそこまで無いんじゃ……」 「まだ分かってないの?鈍感ねぇ」 さっぱり分からないが喜んでいるので深く気にする事ではないだろう 「さぁってと、夕焼け見て帰るか」 やや朱色じみた空を見て提案してみる 「あら、もうそんな時間なの?」 「昼過ぎに家を出たからな、長いこと話してりゃ直ぐ夕方だ」 レティは体勢を変え、俺を座椅子の様にしてもたれかかる 「そだ、明日荷物纏めていくから家の掃除をしておくこと」 「……まーた随分早いっすね」 「抜き打ち検査はお好きかしら?」 「滅相もない」 家に来るなり機嫌が悪くなるようなことは避けなければ 「楽しみね、明日からが」 「そだな」 そんな夏のある日 35スレ目 349 冬が寒くって本当に良かった レティの冷えた左手を僕の右ポッケに おまねきするための このうえないほどの理由になった
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東方神鏡世界~ Reflection of This Fact ここはdisfact様制作の“東方神鏡世界~ Reflection of This Fact”攻略wikiです。 まだ未完成ですので、可能な方は編集をお願いします。 タイトル 東方神鏡世界~ Reflection of This Fact 製作 disfact このwikiへの意見や、ゲーム内での質問はコメント欄にどうぞ。 ゲーム内でバグを発見した場合は公式HPの拍手か、twitterで製作者様への報告をお願いします。 現在の最新バージョンはVer1.87です Lv.9、10武器の強さアンケートhttp //www.thd03.com/enq/equip.cgi したらば幻想板に専用スレが立ちました現行スレ 【東方神鏡世界】disfact総合スレその5【木花の空夢】 前スレ 【東方神鏡世界】disfact総合スレその4【木花の空夢】 とりあえず形だけ作ってみました。 -- うぃき作成者 (2012-06-13 01 59 42) 質問のコメントをF Qへ移しました 倉庫実装されました。特異点にいる霖之助に話しかけましょう 金額1位だったのにボスに1万も与えてない人間の屑なので判る範囲で載せました -- 名無しさん (2013-02-07 18 51 35) 名前 コメント
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レティ 加入条件:マップ中央左の町を訪問 初期装備:ブリザー 初期能力 Lv クラス HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 移動 武器レベル 3 魔道士 16 0 6 4 6 7 4 5 6 本D 成長率(%)【試行回数100回】 HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 35 0 32 30 46 61 4 31 ステータス上限 クラス HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 賢者 60 20 30 28 25 30 20 25 特徴 はじめて仲間になる魔道士。とりあえず他の魔道士が出てくるまでのつなぎなので成長率はあまりよろしくない。幸運だけがよく上がる。 魔理沙とパチュリーに比べれば守備は上がる。 支援会話 静葉 (レベル2MAX時) 穣子 (レベル2MAX時) チルノ (レベル1MAX時)
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ふゆの人形 東方人形劇で登場するレティ・ホワイトロックの人形。 進化するとレティになり、さらに進化するとEレティになる。また、ちびレティの時にたいようのいしを使うとAレティになるが、タイプは氷と鋼になる。 バトロイでは『いわなだれ』や『ふぶき』、『じしん』などを使ってくる。…覚えたっけ? 図鑑では冬の間のみ現れるとあるが、バトロイでは一応年中無休…かも。 ちびれいむが大好き。 タイプ 氷 岩 特性 だいかんぱ(元のあついしぼう) 図鑑の説明 ふゆのあいだのみ あらわれると いわれている ようじょ。あついのが にがてで とけてしまう。 marinonet.などでの能力 14/41/38/7 バトロイクエストなどでの能力(F E D C B A S SS \デデーン/) HP:3000 攻撃力:A 防御力:\デデーン/ 素早さ:D 魔力:S 相性 ☆ちびれいむ(れいむ~愛してるわ~…ずっと。) ○博麗霊夢(…れいむ~?)
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レティ・ホワイトロック 加入場所 吹雪の雪山 3F ステータス倍率 HP★★★★★ MP★★★ 攻撃★★★★☆ 防御★★★★★☆ 魔攻★★★★ 魔防★★★☆ 命中★★★★ 回避★★★ スキルツリー スキル名 前提スキル 種別 対象 消費MP 詠唱時間 効果 槍の訓練 パッシブ 無し 0 0 槍の扱い方を学ぶ。槍カテゴリの武器を装備時の攻撃力増加。 アイスウェポン オーロラショック3槍の訓練5 アクティブ キャラ 15 0 氷の力を武器に込める。一時的に対象の武器を氷属性にする。スキルレベルに応じて持続時間増加。 リンガリングコールド アクティブ キャラ 5+スキルレベル 0 長引く冬の寒さで攻撃。通常より威力の高いダメージ。 スノーボール リンガリングコールド10アイスウェポン5 アクティブ キャラ 15+スキルレベル 0 雪の弾を投げつける遠距離の敵一体を氷属性で攻撃。 スノースライダー リンガリングコールド5 アクティブ 床 15+スキルレベル×2 0 雪崩を起こして攻撃。前方広範囲に氷属性のダメージ。 ピアーシングデュール リンガリングコールド5 アクティブ キャラ 20+スキルレベル×3 0 相手の陣を突きぬくように攻撃。前方超広範囲にダメージ。 オーロラショック アクティブ キャラ 20+スキルレベル×2 250+スキルレベル×250 冷気を高めてオーロラの力で攻撃。敵一体に氷属性魔法ダメージ。 アンデュレイションレイ オーロラショック5 アクティブ キャラ 40+スキルレベル×3 500 冷気の光線を発生させる。敵一体に氷属性魔法ダメージ。詠唱時間が短い。 ホワイトアウト アンデュレイションレイ5 アクティブ 床 40+スキルレベル×4 750+スキルレベル×750 猛烈な吹雪を起こして、全てが白の空間を作る。全体に氷属性の魔法ダメージ。 スネグーラチカ スノーボール5 パッシブ 無し 0 0 冬と雪の象徴を宿す。攻撃時に稀に相手を凍結状態にする。スキルレベルに応じて確立増加。 ノーザンウィナー パッシブ 無し 0 0 あらゆる冷気も寄せ付けない。スキルレベルに応じて氷属性に耐性。 フラワーウィザラウェイ パッシブ 無し 20+スキルレベル×2 0 冬の寒さはあらゆる植物を枯らせてしまう。スキルレベルに応じて自然種族に追加ダメージ。 冬の脅威 パッシブ 無し 0 0 冬の寒さはあらゆる昆虫を死なせてしまう。スキルレベルに応じて昆虫種族に追加ダメージ。 フィンブルの冬 ノーザンウィナー10冬の脅威5フラワーウィザラウェイ アクティブ 使用者 15 5000-スキルレベル×1000 終わりの戦争の前には、3度の冬が絶え間なく連続で訪れたという。天候を吹雪に変える。 グレイスヒール アクティブ キャラ 20+スキルレベル×4 1000 冷たい吹雪の中の優しさ。仲間一人のHPを回復する。 スノーハーミット パッシブ 無し 0 0 雪の中で隠者のように身を隠す。スキルレベルの応じて回避が増加。 ミラーバーン スノーハーミット5 アクティブ 使用者 30+スキルレベル×10 0 雪を強く押し固める事により非常に硬くなる。通常の防御よりダメージを大きく減少。スキルレベルに応じて減少量増加。 永久凍土 ホワイトアウト1スネグーラチカ1ミラーバーン1フィンブルの冬5 パッシブ 無し 0 0 絶対に解けない氷像の奥は誰も知る事が出来ない。ターン終了時に自分の周辺の敵を稀に凍らせる。スキルレベルに応じて確立増加。 スキル詳細 アイスウェポン・・・・・・ver1.23で正式に実装された属性付与スキル。 基本的にはあまり使用する機会のないスキルではあるが武器制作Lv.9のトライレイを装備すると一転物理攻撃スキルのダメージを80%強化する強力な自己強化に変貌する スノーライダー・・・・・・範囲攻撃スキル。 氷属性が乗っていること以外は威力、範囲ともに後述のピアッシングテュールに劣るが、氷耐性が低い敵や、トライレイを装備した状態であるならばこちらの方がダメージを取れる。 ピアーシングテュール・・・・・・範囲攻撃スキル。 距離が遠くなるごとに横幅が狭まっていくという変則的な範囲だが、範囲自体はかなりの広さで習得も容易なため使い勝手は非常にいいレティのメイン攻撃スキル。 アンデュレイションレイ・・・・・・単体魔法攻撃スキル。 威力自体はオーロラショックと変わらないが詠唱速度が500固定と非常に早く、ほぼ無詠唱で攻撃できるという他の後衛には中々真似のできない攻撃手段となる。 ホワイトアウト・・・・・・全体魔法攻撃スキル。 威力、範囲は申し分ないがやはり詠唱時間がネックになってくる。 活用するのであれば純魔型でDexに結構なパラメータを割く必要があるだろう。 グレイスヒール・・・・・・単体回復スキル。 回復スキルの効果は全キャラ共通であるそうだが、前衛が使えるという点に大きな意味を持つ。 とはいえ効果は魔法攻撃依存であるため純戦士として運用するなら必要のないスキルではある。 ミラーバーン・・・・・・上位防御スキル。 いわゆる大防御。 効果は防御同様次の自分のターン開始までだが通常の防御がダメージを半減するのに対し、最大レベルなら10分の1まで軽減できるためここぞという時のサバイビリティが大幅に向上する。 特徴 高いHP、防御力に加え回避強化のパッシブや強化防御と前衛に必要な要素を全て持っている優秀なキャラ。 他のパラメータも無駄が少なく、ピアーシングテュールを武器に最前線で戦うもよし、術戦士として器用に立ち回るもよし、サバイビリティの高い後衛として火力の一翼を担うもよしと育成によってどの位置での運用も可能という高いポテンシャルを持つバランス型として非常に完成度の高いキャラであると言えるだろう。 名前 コメント
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Aレティ No.377 タイプ:こおり/はがね 特性:ADVENT(技の追加効果を受けない) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 95 95 100 80 85 85 ばつぐん(4倍) ほのお ばつぐん(2倍) かくとう いまひとつ(1/2) ノーマル/あく/むし/どく/ひこう/ドラゴン いまひとつ(1/4) こおり こうかなし --- 同タイプ比較 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 Aレティ 95 95 100 80 85 85 Eさくや 80 75 110 75 110 80 Aチルノ 90 100 85 80 75 105